歌集 窓、その他

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  • サイズ B6判/ページ数 231p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784903480695
  • NDC分類 911.168
  • Cコード C0092

内容説明

静謐なる時間を求め、流れ、さまよい、時に逆らう。窓越しの視線が自在に対象を捉える二十代半ばから十年間の三五七首を収録。紆余曲折を経ての通過点であり到達点、そして新たなる出発点。

目次

たんぽぽ
首のちから
窓、その他
麒麟の画像
白夜
速度にすぎず
眩暈
ハバロフスク
髪飾り
砂の風葬〔ほか〕

著者等紹介

内山晶太[ウチヤマショウタ]
1977年、千葉県に生まれる。1992年より作歌をはじめる。1998年、第十三回短歌現代新人賞受賞。「短歌人」「pool」同人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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太田青磁

16
通過電車の窓のはやさに人格のながれ溶けあうながき窓みゆ・やわらかき粘土のような海の色を見つめつづけていれば眩暈す・わが死後の空の青さを思いつつ誰かの死後の空しか知らず・うすくらき通路の壁にリネン室げに静かなり布の眠りは・旋回式ブランコまわりまわさるるひとりひとりが虚空に座る・開かれし傘ことごとくはりつめて飯田橋陸橋を行き交う・つややかに人体模型立ちており手触るる日々を秋の冷たさ・ショートケーキを箸もて食し生誕というささやかなエラーを祝う・いっぽんの線香花火を持たせたしストコフスキーのうつくしい手に2016/01/02

双海(ふたみ)

8
著者は1977年、千葉県生まれ。1992年より作歌をはじめる。1998年、第十三回短歌現代新人賞受賞。「短歌人」「pool」同人。「たんぽぽはまぶたの裏に咲きながら坐れり列車のなかの日溜まり」「涙目の少女ひとりをおおいなる夕映えのなかに取り落としたり」「せつなしとプラスチックのスコップで土を掘りたしあたたかき日に」「はつふゆの朝陽がこころもとなくて髪のきれいな人を撫でたし」「みずからを遠ざかりたし 夜のふちを常磐線の窓の清冽」2023/09/25

hakootoko

5
「夜はビルの丁寧なひかり尋ねれば窓になりたい窓もあるべし●口内炎は夜はなひらきはつあきの鏡のなかのくちびるめくる●テーブルの脚のくらがりひそかなる沼ありてひたす日々の足裏を●陽光はまずしき窓に打ちあたり展かるる目のなかの教会●空中をしずみてゆけるさくらばなひいふうみいよいつ無に還る●午後四時でうすぐらい冬、自動販売機取り出し口からのぞく指先●籠もりいし一日つかのま窓に寄りひかりにすぎぬものばかり満つ●かなしめる昨日もなかば透きとおり一万枚の窓、われに見ゆ」2024/12/13

はち

5
やっと読めた。買ったのは半年以上前なのに、いろいろあってやっと読めた。でも三月に読んでてもきっと楽しめなかっただろうな。当たり前の景色が短歌の中では少しずれているような感じ。かと思えば突然プロレスラーやAKBがでてきたり、その文体とは落差がある内容。そして発見。「曇天の日の路地にしてままごとのなごりであろう椿置かれつ」「空中をしずみてゆけるさくらばなひいふうみいよいつ無に還る」2014/12/08

浦和みかん

2
歌の中に窓がよく出てくる。「夜はビルの丁寧なひかり尋ねれば窓になりたい窓もあるべし」「閉ざしたる窓、閉ざしたるまぶたよりなみだ零れつ手品のごとく」「列車より見ゆる民家の窓、他者の食卓はいたく澄みとおりたり」「いちにちにひとつの窓を嵌めてゆく 生をとぼしき労働として」一首目は窓に心があるかのよう。二首目、三首目の窓はそれぞれ自己と他者。四首目は自己の人生の一日を窓に例える。魅力はそこだけではないが、作者にとっての窓を考えるだけで楽しい。2016/01/06

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