内容説明
都市の風俗を取り込み、固有名詞を駆使しながら、時代を駆け抜けた奇才。いま甦るライト・ヴァースの嚆矢。
目次
わたしは可愛い三月兎(少年;猥雑都邑痙攣模様;F.U.;愛 ほか)
墓地裏の花屋(挽歌;桜狩;人の死、その後;墓地裏の花屋 ほか)
著者等紹介
仙波龍英[センバリュウエイ]
1952年3月30日、東京都大田区生まれ。早稲田大学法学部卒。1974年ごろ「短歌人」入会。2000年4月10日逝去。享年48(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はち
6
再読。多すぎる注釈が面白い。個人的には第二歌集の「路地裏の花屋」が好み。特に第二部の桜狩の迫力はすごい。2016/06/13
はち
2
ひら仮名は凄じきかなはははははははははははははは母死んだ、という歌で有名な仙波龍英の歌集。はの数が多いかもしれないし少ないかもしれないが。ニューウェーブやライトヴァースと呼ばれる歌より少し前に発表された第一歌集「わたしは可愛い三月兎」は注釈の多すぎる作品。まるで「なんとなく、クリスタル」である。この歌集だと渋谷惑星直列篇という連作がたまらなく好き。東京の地名や風物を多用する歌は私の最も嫌うところだが、これは珍しい例外。そして第二歌集、「路地裏の花屋」。母親の死、飼い犬の死を描いた作品が悲しい。そしてこの歌2015/03/02
ichigomonogatari
1
山崎ナオコーラさんがすすめていたので読んでみた。注釈が多く、固有名詞を使った作品は、田中康夫みたい?戦争、大地震が怖いと連発したり、少女漫画も読むところに親近感を感じた。2017/06/26
tkm66
0
美しく・悲惨で・泣ける!
miyuki
0
6月26日より。『わたしは可愛い三月兎』の方は、時事や流行に関する語が多く、また時代背景もわからなければ理解できない歌が多い。直接の歌の品質には関わらないけれども、固有名詞の繚乱、これは歌の密度を高くみせる偽巧である気がする。なので正当に評価しにくいと思われる。しかし第二歌集『墓地裏の花屋』は短歌的というよりはむしろ和歌的で、作者の一定の美意識と詞が歌集全体に妖しく漂っているようである。第一歌集よりも時代の嫌な匂いを感じさせないところが多い分、読みやすいし短歌としても優れているとおもった。2015/07/28
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