内容説明
「水と石の魔術師」と評された七代目小川治兵衞、通称「植治」の庭園の写真を多数掲載。
目次
植治、自らを語る
七代目小川治兵衞
五感で味わう庭―植治の感性表現と意匠
庭と解説
文化的景観としての植治の「自然」(座談会)
植治の生涯と仕事
時代思潮と植治
著者等紹介
田畑みなお[タバタミナオ]
1944年、静岡県伊東市に生まれる。東京総合写真専門学校卒業。日本写真家協会会員。日本建築写真家協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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chang_ume
2
七代目小川治兵衛(植治)とは何者か。複数人が証言する本書構成によって、彼の作風の立体視に成功したように思えます。特に巻末座談のなかで、絵本作家永田萠が指摘した植治の「作家性」に注目したい。一般に「自然主義」と括られるスタイルの一方で、庭園現地に立つと単なる自然の模写を超えた感動が呼び起こされる。それは何なのか。また彼の長い造園キャリアの最晩年、「葵殿庭園」(現ウェスティン都ホテル)で表現された滝組は、グロテスクなまでに守山石を多用し、そこに動物内臓を思わせる異形を見てしまう。「植治の庭」とは一体何か。2019/02/05