感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
R
38
第一次大戦期のヨーロッパを舞台にしたタイムパラドクスSF。当時のよい意味での勇気と冒険と誇りみたいなものが、現代にも通じるという展開が好きすぎるので大変楽しく読めた。著者が飛行機マニアで空戦の描写が素晴らしく、サボイアやカプローニなんて単語が飛び交うのが楽しくて仕方ない。冒険活劇という言葉にふさわしい、ドタバタドラマなんだが、暗いところがなくて、ある意味ほのぼのと読めてしまった。ヨーロッパ史に詳しいともっと違う感想を抱くのかもしれない。2021/07/03
波璃子
20
歴史改変SF。私はWW1あたりの飛行機や飛行艇が好きなので、読むしかない、と思っていて今回やっと手に入れられた。飛行機の飛ぶシーンなど読んでいる間ずっと興奮しっ放し。WW1の話がすごく多くて日本人にはあまり馴染みがなくて読みにくいかもしれない。知らない歴史が多かった。終わりかたがすごく好き。ずっと大切にする。2016/07/23
スターライト
11
新刊発売時にイタリアSFか、と気づいてはいたものの何となくスルーしていたが、なぜか最近気になり図書館で借りてみた。訳者のあとがきにあるように、作品の舞台となる第一次世界大戦は日本人にはなじみがない。それは日本から遠い国で行われた戦争だし、そもそも国土が脅かされることがなかったこともあると思う。しかし世界史の知識が乏しくても、作者がさりげなく説明を入れてくれるし、何よりノリにノッて書かれてあるので良質なエンタテインメントとして楽しめるものに仕上がっている。三部作を構成しているようなので、続篇の紹介も希望。2014/03/09
すけきよ
5
タイムトラベルものなんだけど、作者の飛行機大好き描写の押しが強い強いwただ、日本人としては理解しにくいヨーロッパ情勢に大変興味が引かれた。ナチスの蛮行を起こさずに、ドイツ帝国を完成させるために、第一次世界大戦の結末を書き換えるという陰謀は、日本人でも容易に予想がつくんだけど、当時のイタリアの地勢的位置は知らなかったし、ドイツを勝たせることが、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ひいてはロシアまでつながっていくという皮膚感覚はヨーロッパ人でないとわからないものだろうね。2013/10/17
onisjim
1
またイタリアの作品。時間改変SF紅の豚とでも言ったところだろうか。カプローニやマッキの名前に「あー」と思ってしまう人にはわりとおすすめ。2014/04/12