内容説明
同善社・世界紅卍字会・カオダイ教…動乱の近代東アジアで登場した「越境」する民衆宗教の姿を明らかにする。
目次
第1部 災害と民衆宗教(明清民間教派の「避劫銀城」;近代道教の終末論―明清期における扶鸞と士大夫層における終末論の勃興;民間教派から慈善団体へ―『洞冥宝記』の災害観にみる同善社の救世思想;世界紅卍字会の慈善観;清末の災難における扶〓(けい)団体の慈善活動―中国紅十字会の起源について
中国紅十字会と清末民初の標章問題
植民地台湾の震災―一九三五年新竹・台中大地震にみる被災地民衆の宗教空間)
第2部 戦争と民衆宗教(戦場の遺体―「上海事変」における紅卍字会の遺体埋葬活動と大本教;道義―一九四〇年代「中教道義会」と上海の社会救済;日本占領期香港におけるカトリックの救済活動;植民地朝鮮における仏法研究会の教理と活動;先天道からカオダイ教へ―ベトナムに根づく中国近代の民衆宗教;「ホーおじさん教」と戦争の記憶―近年のベトナム北部の民衆宗教)
著者等紹介
武内房司[タケウチフサジ]
1956年生まれ、東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。現在、学習院大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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