内容説明
一九三〇年代の中米、グァテマラ。「未開」社会を客観的にとらえることをその使命とする現代人類学が、この国のマヤ系先住民の調査から生まれた。人類学者たちは先住民「未開」社会に何を「発見」したのか?近代的な「知」によって綴られた歴史から削除されていった人びとの姿を描き出し、多文化共生が掲げられる現代において、他者を理解するという行為が無自覚に孕んできた問題を問い直す。
目次
序章 トウモロコシの先住民とコーヒーの国民(先住民の苦難の歴史;先住民素朴画家は語ることができるのか)
第1章 「未開」社会の徹底調査(米国現代人類学の誕生;前途多難なグァテマラ調査;現地調査の新展開)
第2章 理解される「未開」社会(『一銭資本主義』のパナハッチェル社会;先住民社会独自の規範)
第3章 書きえなかった「未開」社会(幻の「実験」;サン・ペドロの国家統合;ロサーレスの躓き)
著者等紹介
中田英樹[ナカタヒデキ]
1971年生まれ。京都府出身。京都大学大学院農学研究科博士後期課程修了。博士(農学)。日本学術振興会特別研究員PD、サン・カルロス大学客員教員、アヴァンクソ(グァテマラ社会科学振興協会)招聘研究員、京都大学GCOEプログラム研究員を経て、明治学院大学国際平和研究所特任助手。専門は、農業経済学、農村社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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