内容説明
かつて日本の植民地支配を激しく攻撃していた多くの朝鮮人左派知識人は、戦時期になると「東亜新秩序」の可能性に賭け、また解放後は民族国家の建設に参加するという、矛盾に満ちた思想的軌跡をたどった。日本の植民地支配を批判していた彼らが、なぜ「転向」をし、そしてそれは戦後にどう繋がっていったのか?その過程を丁寧に追いかけ、脱植民地の志向と「近代」とが複雑に絡まり合う植民地固有の思想史を読み直す。
目次
序章 戦時期朝鮮を読み直す
第1章 日中戦争期(一九三七~一九四一)における朝鮮社会主義者の転向とその論理
第2章 一九三〇年代における植民地朝鮮人の思想的模索―金明植の現実認識と「転向」
第3章 転向から考える植民地・近代・アジア―解放前後における印貞植の実践
第4章 解放前後における統制経済論の展開―マルクス経済学者の朴克采・尹行重
終章 植民地期・解放後における主体形成の企て
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- 和書
- ねこねこ日本史 〈14〉