感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白義
11
価値中立的な規範法学や自由主義、議会主義を嫌い、決断による秩序創造の必要性を説いたシュミットだが、単に危険な思想というに留まらず、その自由主義や議会主義への批判は滅法鋭い。公開討論や権力分立を重んずる議会制はその決められなさと一部のエリートによる秘密主義を招き、民主主義と対立する、経済進展による脱政治化の波は、かえってより苛烈な友敵同士の対決を呼び込む、という現実政治の逆説への眼差しが、独裁を肯定することの説得力を生んでいるのは見逃せない。翻訳も他の訳より全体的に読みやすい2014/11/22
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