内容説明
米国、カナダ、オーストラリア、南アフリカなど、世界の国々の26もの教科書に収録されている東洋大学文学部名誉教授の英語詩篇から、代表的な66篇を本人が翻訳した初めての日本語詩集。
目次
1 詩のパン(乳搾り娘のように;詩のパン ほか)
2 詩人の引力(時間と空間;詩人の務め ほか)
3 僕のお祖父さん(思い出;僕のお祖父さん ほか)
4 飛行機の影(庭師;金閣寺 ほか)
5 今夜は月が泣いている(今夜は月が泣いている;君はムンタダール・アルゼイディを知っているか ほか)
著者等紹介
郡山直[コオリヤマナオシ]
1926年鹿児島県奄美の喜界島に生まれる。1949年沖縄外国語学校教員養成科卒業。1950年‐51年米国ニューメキシコ大学に留学。1954年ニューヨーク州立オールバニー教育大学英語科卒業。1954年‐56年鹿児島大学教育学部付属中学校勤務。1956年‐61年桜美林学園勤務。1961年‐97年東洋大学文学部勤務(1997年定年退職)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ochatomo
8
英語詩人・郡山直(こおりやまなおし)氏の初の和訳選集 アーサー・ビナード著「知らなかった、ぼくらの戦争」で知り、図書館へ購入リクエストした 奄美の喜界島出身の英文学者で「開いてくる蕾」(1957年)「ジェット旅客機」(1970年)「詩のパン」(1981年)が米国等の教科書に掲載されている 題名は前記を含む66篇のひとつであり、最終章の10篇は率直な反戦詩 著者によるあとがきが略歴となっており、英語の元詩を含めた解説は堀内利美氏、栞解説文が鈴木比佐雄氏 カバー写真は喜界島の特攻花テンニンギク 2010刊2019/02/20
Romi@いつも心に太陽を!
8
タイトルと表紙の写真で手にとりました。元々は英語詩を書く方で、この作品はそれらを自ら翻訳した逆輸入的なもの。小さい蕾、カンバスと絵筆、パン。身近な事物に詩を投影させたかと思うと、天体や時間と空間を超越したロマンたっぷりの詩たちが、まっすぐな言葉で綴られている。後半は戦争への憤りをぶつけた作品が目立ちました。表紙の花は特攻花と呼ばれた天人菊です。「言葉、詩意、心象、旋律が詩的にひびき合っているとき、命も、体も、心も輝く。人生によろこびの花がひらく。心に生きる力がわいてくる」2010/09/08