こども理解と観察―親子観察を通して創造的実践力を育てる授業の試み

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  • サイズ B5判/ページ数 143p/高さ 26cm
  • 商品コード 9784903355726
  • NDC分類 376.1
  • Cコード C3037

出版社内容情報

「子ども理解と観察」は,大学と地域が緊密な連携のもとで創ってきた新しい授業の場である。複雑化する時代に求められる「子どもの健やかな成長」と「保育者養成のあり方」に一石を投じる一つの思考的モデルと言える。講義・体験学習・フィールド実習を一体化させ統合することで,こどもを理解することの基礎知識と技能・態度を学習させようとするものである。その要となる「親子観察」を中心とする体験的学びの意図は,表層的でなく深い子ども理解,自己理解,人間理解ををめざすところにある。

第1章 「こども理解と観察」序論

1 「こども理解」のパースペクティブ

 1 「こども理解」を理解するために

 2 「こども理解と観察」の意義

 3 「こども」をどうとらえるか

 4 「こども理解」に必要な地域社会との関わり

 5 「こども理解」へのパースペクティブ

2 「こどもを理解する」ということ

 1 こどもを総合的に理解する

 2 育ちゆくこころと「わたし」のはじまり

 3 保育・幼児教育の原点

 4 こども理解と自己理解

3 「こども理解と観察」 ?授業の特徴と3つの柱?

4 「こども理解」と親子観察

 1 なぜ,親子観察か

 2 親子観察の方法 ?乳幼児観察の先行研究に学ぶ?

5 親子観察を中核に据えた授業の構造化 ?教育効果をあげるためのプログラム体系?

6 親子観察の目指すもの ?創造的実践力を培う?

 1 専門職としての感性を磨く

 2 感情に焦点をあわせ自分のこころに向き合う ?共感性に向けて?

 3 命への慈しみや尊厳のこころを培う

 4 自らの発達史をふり返り親子関係を再統合する

 5 自分自身の将来像を確かなものにする

 6 自ら考え主体的にかかわる力をつける

 7 セルフ・エスティームを高める

 8 観察を通して人間理解を深める

7 体験授業を効果的にすすめる

 1 主体的な学びを促進する「学習サイクル」

 2 グループ学習とファシリテーターの役割



第2章 乳幼児期のこども理解を深める

1 「わたしらしさ」の形成と発達

2 乳幼児期のこころの課題

 1 人や外界への信頼感を育む

 2 愛着と「わたしらしさ」の発達

3 「わたしらしさ」の特徴は赤ちゃんの時からある

 1「わたしらしさ」とパーソナリティ

 2 生まれながらの行動特性 ?気質?

 3 保育・教育のなかでどう活かすか

4 「わたし」のはじまり ?乳幼児期の分離?個体化過程?

 1 こどもの「こころ」の育ち

 2 こころの誕生

5  「わたしらしさ」の確立へ ?自我発達と個体発達の分化?

 1 自我と自己

 2 学童期の心理社会的課題 ?学ぶ・遊ぶ・マスターする?

 3 思春期の心理社会的課題 ?性のめざめ・ひたむきな自己中心性・あたらしい自分との出会い?

 4 青年期の心理社会的課題 ?本当の自分・社会的役割・「わたしらしさ」探し?

6 成人期のこころの課題 ?「わたしらしさ」の統合へ?

 1 「わたし」と他者と親密になること

 2 成熟することと「わたし」の再確立

 3 「わたしらしさ」の統合



第3章 「こども理解と観察」の実際

1 「こども理解と観察」の基本構造 ?親子観察を中心に据えたプログラム?

2 体験授業の構成

 1 親子観察演習

 2 スタジオ観察

 3 体験授業の準備

3 こども理解を支える観察と記録

 1 観察の意義と目的

 2 観察方法と視点

 3 関与観察と非関与観察

 4 記録方法と視点

 5 肉眼による観察とビデオ観察

4 観察を支える親子の発達理解

 1 乳児期の発達を理解する

 2 親の発達を理解する

 3 家族の発達を理解する

5 体験授業の進め方

 1 事前学習

 2 親子観察演習

 3 スタジオ観察

 4 事後学習

 5 ありがとうの会

6 フィールド実習の進め方

 1 親子のひろば「ぽっけ」におけるフィールド実習

 2 「ぽっけ実習」および自主参加による体験学習

 3 「ぽっけ実習」の記録事例

 4 「ぽっけ」で育ちあう学生と親子

7 評価方法

 1 評価規準のとり方

 2 自己評価をする

 3 総合的に評価をする

 4 創造的に学びを高める授業の評価

8 体験授業から得られるもの

 1 学生にとっての体験授業の意味

 2 親子にとっての体験授業の意味

 3 1年間の授業のふり返りから



第4章 展望と課題 ?「こども理解と観察」から地域社会の創造へー

1 「こども理解と観察」の授業展開の特質

 1 本当に赤ちゃんがくる

 2 講義・演習・実習の有機的な組み合わせによる授業展開

 3 地域社会に開かれた大学づくり

2 保育者・教育者養成の基軸としての「人間理解」

 1 「こども理解と観察」から自己理解を経て人間理解へ

 2 保育者・教育者養成と「人間理解」

 3 地域社会の創造者を育てる

3 取組みの広がりを求めて



資 料

1 「こども理解」体験授業についてのアンケート(保護者へのアンケート)

2 「こども理解と観察」アンケート(受講学生へのアンケート)

3 体験授業の記録シート

4 自分史の作成シート

5 「ぽっけ」の果実を育てよう

大久保 秀子[オオクボ ヒデコ]
著・文・その他/編集

櫃田 紋子[ヒツダ アヤコ]
著・文・その他/編集

菅野 陽子[スガノ ヨウコ]
著・文・その他

丸谷 充子[マルヤ ミツコ]
著・文・その他

柴田 崇浩[シバタ タカヒロ]
著・文・その他

目次

第1章 「こども理解と観察」序論(「こども理解」のパースペクティブ;「こどもを理解する」ということ ほか)
第2章 乳幼児期のこども理解を深める(「わたしらしさ」の形成と発達;乳幼児期のこころの課題 ほか)
第3章 「こども理解と観察」の実際(「こども理解と観察」の基本構造―親子観察を中心に据えたプログラム;体験授業の構成 ほか)
第4章 展望と課題―「こども理解と観察」から地域社会の創造へ(「こども理解と観察」の授業展開の特質;保育者・教育者養成の基軸としての「人間理解」 ほか)
資料

著者等紹介

大久保秀子[オオクボヒデコ]
浦和大学教授。こども学部設立準備に従事。社会福祉学を専攻し、地域を基盤とする福祉の歴史、福祉の教育について研究。社会福祉法人浦和福祉会理事。博士(学術・福祉)

櫃田紋子[ヒツダアヤコ]
元浦和大学教授。こども学部設立準備に従事。NPO法人子ども家庭リソースセンター副理事長。カナダの子育て家族支援に関する研究・支援者養成。NPトレーナー、臨床心理士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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