内容説明
中国古典短篇白話小説の宝庫と呼ばれる『三言』は、中国文学史において高い評価を受けている作品である。『三言』は明末以後の文学界に短篇白話小説を作る風潮を巻き起こした。多くの女性が登場し、多様な愛情表現と物語設定がこの作品の一つの特徴である。編者である馮夢龍が物語の女性達に託したメッセージは何か?多彩な女性像はどのような意味を持っていたのか?斬新かつ多角的な切り口でこの問いに迫った本書は、『三言』研究だけでなく、女性学などの他分野の研究にも役に立つであろう。
目次
第1章 馮夢龍と『三言』についての研究
第2章 明末清初における馮夢龍、及び『三言』の位置付け
第3章 馮夢龍の『三言』の編纂
第4章 『三言』における女性像
第5章 馮夢龍の愛情観、結婚観
第6章 馮夢龍の情欲観
第7章 女性の智慧―馮夢龍の観点
第8章 馮夢龍の思想―儒教に対する「反撥」と「回帰」
第9章 『三言』の読者層
第10章 愛情の物語から見た馮夢龍『三言』の編集意図
著者等紹介
張軼欧[チョウイツオウ]
中国山東省生まれ。1993年、南昌大学外国語学部英米文学科卒業。2000年、関西大学大学院文学研究科中国文学専攻博士課程前期課程修了。2003年、関西大学大学院文学研究科中国文学専攻博士課程後期課程満期退学。2006年、関西大学大学院文学研究科中国文学専攻博士号を取得。文学博士(関西大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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