感想・レビュー
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Ted
4
'06年6月刊。○著者は市井の鴎外研究家だが、もともと斉藤茂吉の書生だった人で、教師(後に校長)を長く勤めた。茂吉は鴎外の直弟子だから、(面識はないが)孫弟子にあたる人になる。荒正人の『漱石研究年表』に触発されて本書の執筆を決意し、執筆に17年、編集に8年もかかった労作である。それだけでも購入に値すると思う。書式は『漱石研究年表』を踏襲しているが、活字は大きくなっている。漱石との接点や、鴎外に都合の悪い点など省かれている箇所も散見されるが、擬古文で書かれた鴎外の読みにくい日誌を現代語訳で読めるのは助かる。2013/12/19