内容説明
過去25年分750件の失敗事例を徹底検証。名だたる企業・エリートでも陥る戦略の罠とその回避策とは。
目次
第1部 企業が陥る7つの罠(シナジーという幻想に惑わされる;「金融の錬金術」の虜になる;業界をまとめ、ひとり勝ちを夢見る;現実の変化を都合よく解釈する;隣接市場にまちがったチャンスを見出す;新テクノロジーを求めて暴走する;統合がもたらす難題を軽視する)
第2部 成功率を確実に高める知恵(人はなぜ悪い戦略を選んでしまうのか;企業が戦略ミスを犯す本当の理由;異論のないところに成果なし;「最後のチャンス」審査で念を押す)
著者等紹介
キャロル,ポール[キャロル,ポール][Carroll,Paul B.]
17年にわたってウォールストリート・ジャーナルに寄稿。1997年には初の「ニューエコノミー」雑誌『コンテクスト』を創刊。カリフォルニア州サクラメント郊外在住
ムイ,チュンカ[ムイ,チュンカ][Mui,Chunka]
ダイヤモンド・マネジメント&テクノロジー・コンサルタンツのフェロー。戦略、イノベーションに関する講義やコンサルティングで活躍。イリノイ州シカゴ在住
谷川漣[タニカワレン]
1959年和歌山県生まれ。東京大学文学部卒業後、出版社勤務を経て翻訳家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フジマコ
10
企業が犯す致命的な失敗について分析している本です。うちの会社も2年前ある企業の株式を100%取得して、7つのうちの1つに挙げられている「シナジー効果を狙った」んだけど思うように進んでいません。それなりの苦労をして、結構なお金を払いくっついた2つの会社が、金の卵を産み落とせないんです。企業が利益を創造するって、改めて、大変な事だと実感しました。2013/11/16
Shu
3
次のビジネスを考える上で参考になる。 新事業の仕事のしかたや経済性を、既存事業と比較しないこと。 新しいビジネスを、古いビジネスの物差しではからないことですね。2013/11/01
Koki Miyachi
1
企業の決定の失敗には7つの型があるという。シナジー効果を狙う/金融工学を駆使する/ロールアップをはかる/従来路線に固執する/隣接市場に参入する/新たなテクノロジーを追求する/統合に走る…それぞれが普通に考えると成功に繋がりそうな事だから恐ろしい。成功と失敗は裏腹だし、背景にあるリスクをキチンと把握してグリップすることが重要。大胆さと緻密さと慎重さがポイントなのだ。個人が行動する上でも有用な教訓になりそう。2012/09/09
ながけん
0
戦略を決定する際に誤った判断を下してしまう主要な7つの項目について説明してくれています。 ①シナジー効果を狙う ②金融工学を駆使する ③ロールアップをはかる ④従来路線に固執する ⑤隣接市場に参入する ⑥新たなテクノロジーを追求する ⑦統合に走る 基本的に中長期の事業計画を作る際の甘い見通しが失敗ということだと思います。 渋い見通しを作るのは、それはそれで目標が低いと言われ難しいんですけどね…2013/07/02
岩崎 堅悟
0
過去25年間に起きた企業の重大な失敗事例(750件)を徹底検証し、「失敗の型」として掲げた「7つの戦略」の失敗回避策について記した書物。「第8章 人はなぜ悪い戦略を選択してしまうのか」の記述は特に興味深く、人間の本来的な傾向より「人はすべての情報を評価するずっと前から、ひとつの答えに狙いを定めている」「人はある答えに向かい始めると、その答えの正しさを確認しようとして、自分が間違っている可能性を受け入れにくくなる」との指摘は同感。戦略等の意思決定に当たり「心理状態を正常に保つ工夫」が問われると実感した次第。2011/12/04