内容説明
歴史文学者として、文明史家として、そして独創的思想家として、この国の「かたち」と「ひとびとの心」を見つめ続けた司馬遼太郎。「閉塞した時代」に、立ち竦む私たちは、どう生きるのか。『竜馬がゆく』を主に、幕末変革期の世界を描く『世に棲む日日』、『花神』、『胡蝶の夢』、『菜の花の沖』など、司馬遼太郎の知の遺産を、比較文明学の第一人者が丁寧に読み解き、大転換期を迎えた日本、そして日本人は、いったい何処へ行こうとしているのかを考える。
目次
序 物語のはじまり―竜馬という“奇蹟”
第1章 幕末の風雲―竜馬は生きている。
第2章 “黒船”というグローバリズム―「開国」か「攘夷」か
第3章 竜馬という存在―桂浜の月を追って
第4章 「日本人」の誕生―竜馬と勝海舟との出会い
第5章 「文明」の灯をともす―“おれは死なぬ。”
第6章 “理想への坂”をのぼる―竜馬の国民像
第7章 竜馬の「大勇」―二十一世紀への視野
著者等紹介
高橋誠一郎[タカハシセイイチロウ]
1949(昭和24)年、二本松市生まれ。東海大学大学院文学研究科(文明研究専攻)修士課程修了。現在は東海大学外国語教育センター教授。比較文明学会理事。専攻はロシア文学、比較文学、比較文明学。日本ロシア文学会、日本比較文学会、比較思想学会、日本ペンクラブ会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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