内容説明
柳田國男は、「旅はタべである」。タべは「給え」「たまわれ」の古語であり、行く先々で「タべタべ」と物乞いをしなくては、旅が成り立ちにくかったという。また、トラベル(travel)はトラブル(trouble)を語源にしている。人はなぜ旅を「食う」のか。旅は難儀であるがゆえに、旅人をして、「普遍」と「個別」、そして「多様性」の発見に誘う。他の土の光を観ることは、ひとつの文明である。「民族大遊動の時代」の「生態観光」「遺産観光」「持続可能な観光」を指標に、「物見遊山」の文化と文明を考える。気鋭の文化人類学者と社会学者、民俗学者によるツーリズム・スタディーズ、旅の宇宙誌。
目次
第1章 民族と観光
第2章 芸能と観光
第3章 飲食と観光
第4章 性と観光
第5章 戦争と平和と観光
第6章 環境と観光
付論 旅の終わりの談論―歩く・見る・聞く、そして考える 調査記録・現地討論抄録
著者等紹介
神崎宣武[カンザキノリタケ]
1944年、岡山県生まれ。民俗学者。旅の文化研究所所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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