感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
小鈴
13
この本を読んで初めて知ったのだけど、1950-60年代に盛んに行われた安保闘争、組合運動のデモでは、6人で腕を組み隊列を作り、ジグザグに足早に歩くデモが多発した。それは蛇行デモ、ジグザグデモと呼ばれ、あの当時は誰もが知るデモ形態だった。写真多数掲載されているが本当に蛇のような隊列。その始まり、流行期、消失(蛇退治)を詳細に追う。当時の大衆は個人からヘビになり、政権や企業側を巻き込んだ。私たちはヘビだった時があったのだ!そしてヘビは退治され、ただの個人に戻り、孤立し社会変革や政治への関心を失った。2025/09/13
檜田相一
0
60年安保と三井三池闘争を頂点として、日本の運動史をジグザグデモという「戦術」から捉え直す。過去の運動とは違う、「新しい運動」が強調されがちな昨今だが、過去の戦術からなにを継承すべきかを考えよと筆者は訴える。60年安保では過激なものとして忌避され、法規制の強化によって勢いを失ったジグザグデモ。しかし、そのヘビのようなうねりは抑圧された労働者の自己解放の手段であった。労働者を描いた詩や特徴的な装丁など、唯一無二の著書だと思った。2025/09/30
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