出版社内容情報
最初の戦争体験、アメリカで英文学者になるまで、ベトナム反戦闘争、チョムスキーやサイードとの出会い、「知識人」との訣別、人文科学消滅後の学問、大学の役割……自らの軌跡をたどりながら、批評=抵抗の新たなスタイルを語る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
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対談集。ヴェトナム戦争では、鶴見俊輔らがベ平連で抵抗していたように(128-9頁)、本書でも、バークレーで抵抗運動をしていたミヨシがいたとは知らなかった(120頁~)。著名な言語学者ノーム・チョムスキーも登場する。また、抵抗といえばピエール・ブルデューも登場してくる(254頁)。「貧しい国、貧しい地区の環境条件を向上させなければ、人々はあらゆる場所で環境的に脅かされる」(316頁)とは、評者の意見と同じ。つまり、環境問題の最大の犠牲者は貧困者なのだ。金持ちだけが快適な環境を享受できる社会は健全とはいえぬ。2013/05/30