出版社内容情報
『遠野物語』から百年。
今、新たな物語が動き出す。
あ、ここに小説があった――
三島由紀夫にそう言わしめた『遠野物語』。
ロラン・バルト、ウラジミール・プロップ、そして吉本隆明らを経て、フィクションの世界がひらかれる。
一九八〇年代アメリカ文学の「ミニマリズム」と『遠野物語』とは、多分に近似的である。柳田国男が突き詰めようとした究極の「自然主義小説」が、一九八〇年代のアメリカで花開いた、と言っても決して言い過ぎではない。人を表現に向かわせるものは、時と場所を選ばない。
(あとがきより)
内容:
第1章 はじめに~感じたるままに書くということ
第2章 「遠野物語」の恐怖の臥所
第3章 「笛」は必要だったか?
第4章 母殺しの影で
第5章 「遠野物語」の昔話性
第6章 コントロールする「六部」
第7章 「私」によって語られた「遠野物語」
第8章 偽装された無理心中
第9章 すり替えられた「鳥」の役割
第10章 名指しされた「証人」
第11章 意識される「外部」
第12章 近代へのゆらぎ
第13章 「遠野物語」の小説的技法①
第14章 「遠野物語」の小説的技法②
第15章 おわりに~「昔話」から「現在の事実」へ
内容説明
あ、ここに小説があった―三島由紀夫にそう言わしめた『遠野物語』。ロラン・バルト、ウラジーミル・プロップ、そして吉本隆明らを経て、フィクションの世界がひらかれる。
目次
はじめに~感じたるままに書くということ
『遠野物語』の恐怖の臥所
「笛」は必要だったか?
母殺しの影で
『遠野物語』の昔話性
コントロールする「六部」
「私」によって語られた『遠野物語』
偽装された無理心中
すり替えられた「鳥」の役割
名指しされた“証人”
意識される「外部」
近代へのゆらぎ
『遠野物語』の小説的技法(1)
『遠野物語』の小説的技法(2)
おわりに―「昔話」から「現在の事実」へ
著者等紹介
風丸良彦[カザマルヨシヒコ]
1958年東京都生まれ。上智大学外国語学部卒業。文芸評論家。現在、盛岡大学文学部准教授、東海大学非常勤講師。専門は現代アメリカ文学。著書に『カーヴァーが死んだことなんてだあれも知らなかった―極小主義者たちの午後』(講談社、1992年。表題作で第33回群像新人文学賞[評論部門]優秀賞受賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
-
- 電子書籍
- 動脈硬化性疾患―発症防止をめざして
-
- 和書
- 神様は風来坊