内容説明
江戸時代、常陸国(現・茨城県)に漂着したという一艘の「うつろ舟」。この舟は本当に「江戸時代の円盤飛来事件」の証拠なのか?滝沢馬琴・柳田国男なども注目したこの事件の真相を10年以上調査してきた著者による探究の集大成。現存資料を完全に網羅した、うつろ舟漂着事件研究、決定版。
目次
第1章 UFO元年
第2章 そもそも何が起きたのか?
第3章 「うつろ舟」の形状
第4章 漂着現場「原舎浜」が判明!?
第5章 伊能図を探せ!
第6章 気仙沼の「うつぼ舟の舟板」は本物か?
第7章 伝説の仕掛け人は?
第8章 さらなる新資料現る!
第9章 伝説の再検証
第10章 形状のミステリー
第11章 ミステリーは解けたか?
付録 うつろ舟伝説の原資料
著者等紹介
加門正一[カモンショウイチ]
国立大学工学部教授。専門は光情報工学。専門学会では研究会委員長、論文査読委員等を歴任。大学では専門科目の研究教育の外に教養科目で懐疑思考(Skeptical Thinking)を講義しており、その教材収集として超常現象の科学的調査にもいそしんでいる。超常ウォッチャーズ(JAPAN)科学技術最高顧問。江戸時代のUFO事件「常陸の国うつろ舟伝説」の調査は10年にも及び、現在もなお進行中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
54
記録をチェックしたら、前回の再読から5年過ぎていた。あらためて感じるのは、日本には比較的古い記録が多く残されていて、200年前のできごとも、複数の文献に書かれている場合があり、努力をすれば発掘、参照できるということ。「江戸時代のUFO事件?」の背後には、「八犬伝」で有名な曲亭(滝沢)馬琴がかかわっているらしい。馬琴の創作だとすれば、あの形状をどこから思いついたのか、非常に不思議。現代人はとかく江戸時代を前近代的と思いがちだが、この例のように、時としてハッとさせられるほど現代に通じる要素もあるということだ。2022/07/31
へくとぱすかる
37
3年ぶりの再読もおもしろかった。例の「宇宙文字」、字形はおそらくハングルにヒントが? 15世紀には△形の字母があったし、2字目は「王」をハングルっぽく変形。〇と、それにくっつく線もハングルを彷彿させる。△につく小丸は、蘭学の流行による、オランダ東インド会社のモノグラムからの発想では。2字目がもとは王だったのは、「王の娘」と考えられたこととの関連だが、漢字そのままでは「らしくない」との判断では?2017/05/21
へくとぱすかる
35
UFOかもしれない?という不可解さをもった江戸時代の記録。ここにからむ人物が有名な滝沢(曲亭)馬琴であることを思えば、果たして実際はどうだったのか、と真相が知りたくなる。絵をともなった史料であるだけに、その絵の発想はどこから来たのかが不可解になる。いわゆる「空飛ぶ円盤」の目撃記録が戦後からであることを思うと、フィクションであるならば、江戸時代の日本人の想像力は再評価されなければならないだろう。でも、もし何かきっかけになる事件が本当にあったとしたら?……と思わせる。2014/05/13
tokkun1002
9
2009年。これは江戸時代わかせた「うつろ舟」の真相を、現存する資料をもとに解明しようとした加門先生の研究報告だ。浪漫。伝記やフィクションじゃないので江戸時代の雰囲気を楽しむには違うのだけれど…2017/08/27
リョウスケ2k3
3
★★★★★江戸時代のUFO事件として有名な『うつろ舟』事件を徹底的に調査して調べ上げた良書。否定するための調査スタイルでもなく蒙昧に肯定するだけの調査でもないく、確認されたことを淡々とまとめているところが非常に好感度が高い。2016/04/03
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