感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
田中峰和
3
偉大な文豪でさえ、自殺以外自分の死期に確信を持てない。だが、発癌後の入院中ともなればほぼ死期を予測し、生きたいという願望と無念が付きまとう。人一倍健康に自信のあった中上健次は、自分の老後に谷崎潤一郎のような老年の文学期が来ることを望んでいたが、ガンの発病によって希望を絶たれたことを悔しかった。乳がんに侵された後、利き腕が使えず左手で執筆を続けた向田邦子は残される母と弟妹を想い遺言を残していた。その遺言が飛行機事故によって実現するとは本人も予測しなかっただろう。本人の遺言以上に、文学者の追悼文も感動を呼ぶ。2018/09/30
グッチ
1
好きな喫茶店にあったので。有名なものから初めて知った最期もあったが、誰もが波瀾に満ちた人生を送っていた。というか、夭逝と自殺の宝庫。個人的には志賀直哉のあり方が非常にドラマ的で面白かった。2017/12/13