内容説明
「秘スレバ花、秘セズバ花ナルベカラズ」の言葉で知られる『風姿花伝』の根本思想である「花」とは何か。『風姿花伝』の読解の全篇をその問いで貫き通す、能楽研究のパイオニアならではの力強い批評。原文の純粋な姿を伝え、三つの底本の全異同も示す。
目次
序章
第1 年来稽古条々
第2 物学条々
第3 問答条々
第4 神儀云
第5章 奥義云
第6 花修云
第7 別紙口伝
著者等紹介
野上豊一郎[ノガミトヨイチロウ]
1883年生、1950年歿。東京帝国大学文学部英文学科卒業。夏目漱石門下生。野上弥生子の夫。号は臼川。イギリス・ギリシャ劇の研究から能の研究へ進む。能や世阿弥の海外への紹介にも尽力し、1938年には日英交換教授として外務省から派遣され、ケンブリッジ大学などで世阿弥を講義し、自ら監修した能の初のトーキー「葵上」を紹介して反響を呼んだ。1908年の大学卒業の翌年、法政大学講師となり、予科長・学監を経て、1947年に法政大学総長となり、文学部内に能楽研究室を設置(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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