- ホーム
- > 和書
- > 教養
- > ノンフィクション
- > ノンフィクションその他
内容説明
1996年5月、エベレストの猛烈な嵐は日本人女性を含む9人の命を奪った。死の淵から奇跡的に生還した男の感動のノンフィクション!
目次
1 一九九六年五月一〇日夕刻サウス・コル
2 回顧―「救い」との出会い
3 七大陸最高峰制覇へ
4 “奇跡”の代償
エピローグ―それは、私のすぐそばにあった
著者等紹介
ウェザーズ,ベック[ウェザーズ,ベック] [Weathers,Beck]
1946年、米国ジョージア州アトランタ生まれ。エベレスト奇跡の生還で一躍時の人になって以降、山での体験、家族、人生などについて全米各地で講演を続けている。ダラスに家族と共に在住。長いリハビリの後、現在も医師として働いている
山本光伸[ヤマモトミツノブ]
1941年、東京生まれ、国際基督教大学卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くさてる
20
映画にもなったエベレストでの遭難事件からの生還者によるノンフィクション。なのだけど、危険な山から生きて戻ってきた男とかれを支えた家族の愛の物語的なことを予想して読むと裏切られます。生還の記録もあるのですが、生きて帰ったことにより、彼は自分がなぜエベレスト登山という危険な行為に挑戦したのか?ということと直面することに。山に登るということがかれにとり、家庭や自分自身と向き合うことからの逃避だったこと、その為にどれだけ家族が犠牲となったのかということがみっちりと語られるので、わたしはそこが興味深かったです。2016/01/13
勝浩1958
9
以前読んだ『空白の5マイル』の作者角幡唯介氏が「死ぬような思いをしなかった冒険は面白くないし、死ぬかもしれないと思わない冒険に意味はない。」と語っていましたが、この著書であるベック・ウェザーズ史は鬱病を患っていたこともあり、そこから逃れるために「私が求めていたのは、あの恐怖だったのだ。当時は認めようとしなかったが、私は疑いなく電気ショックのようなものを求めていた。とんでもなく恐ろしい目に遭わないと、生きていることを実感できない人間のいるのだ。」と述べています。だから、精神的苦痛を受けるのは家族なのです。2015/11/25
たみき/FLUFFY
9
映画「エベレスト3D」で描かれている、1996年エベレスト大遭難事故の生還者である著者が、当時の状況とエベレスト登山に至るまでの自身について記している。エベレストでの出来事は同じ遠征隊にいたクラカワーの「空へ」と当然重なる部分が多いが、凍傷の酷かった右手の手袋は早々に風に飛ばされて紛失したなど、この本で初めて知る点も多い。後半は自身の過去(鬱との戦い)や、妻ピーチの関係など。エベレスト登攀時にはこの夫婦は相当破綻していたのがわかる。タイトル通りいろんな意味での「生還」でもある。2015/11/23
ふたば
8
エベレストで難波氏が遭難したその時、まさにその場に一緒に置き去りになったのち、奇跡のような自力生還を果たした登山者の著作。エベレスト登山がターニングポイントとなった人生が綴られている。自分の置かれた自身の状態に似ている部分があるからか、感想を書きたいと思うのだが、どうにも言葉になってくれない。ゆっくりとかみしめてから、再読しその後に書けるようなら書きたいと思う。遭難した難波氏のそば近くに最後までともに在り、仲間として評価し、心から悼む言葉がうれしい。2018/10/30
a.i
3
★★★『空へ』、『デスゾーン8848M』を読んだあと、ベックウェザーズ氏の本もあることを知り即注文。助からない(死亡した)と判断され置き去りにされたが、奇跡の生還を果たしたベックウェザーズ氏本人の体験談を読んでみたくてたまらなかった。が、その話は1章のみで、残りは自身が鬱病を患い、山に取り憑かれた経緯、登山経験、家族との関係性の話だった。途中退屈に感じたものの、後半はそれなりに楽しめた。それにしても、妻と子に同情せずにはいられない。エベレストで一度死んで、生まれ変わったと思えば、結果オーライ……なのか?2024/11/05