目次
第1部 近代津軽の文化人と自己認識(辺境意識とアイヌ史―津軽言説のなかの歴史認識;津軽作家の周縁意識―言語学的視点からの一考察;北畠八穂の文学における津軽―他者と出会う場所 ほか)
第2部 オタゴの周縁性と文学者(南島の周縁性とジャネット・フレイムの文学―自叙伝と『包囲の状態』を中心に;ジェイムズ・K.バクスターとダニーディン―死と再生の二年間;始まりの場所としてのダニーデン―ルース・ダラスと距離の問題)
第3部 周縁地域に生きる人々と自然・産業・文化(「リンゴ伝説」を考える―文明開化期津軽のウエスタンインパクト;オタゴの華僑・華人たち―周縁化された人々の悪戦苦闘;周縁地域の音楽―ダニーディンと津軽地方 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tsubomi
7
2018.12.22-2019.01.20:青森県津軽地方とNZ南島のオタゴ地方との地理的・文化的共通点と相違点を考察する興味深い一冊。オタゴ地方はスコットランドからの移民が多い地域で、ゴールドラッシュで栄えるも、その後は金の採掘が斜陽産業となり地域も過疎化が進んでいるけれども地元への愛着やプライドが強いという土地柄のよう。周縁地域に生きる人間特有の、出身地に対する愛憎や昔から続いている自然の生態系を維持するための仕組み作り、文学作品。。。特にニュージーランド文学については初めて知ることばかりで新鮮。2019/01/20