感想・レビュー
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内島菫
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詩をつくることに対する著者=詩人の真摯な、そして敢えて言うとミステリアスな詩論集。彼女の核となる思考が表現された部分を引用してみる。「「語の現前」、という哲学的な言葉があるけれども、画家にとっては「画=語」であるだろうし、この「現われ=現象」はわたしたちが普通では見ることのできない「わたし」を捉えた瞬間だろうと思う。この「瞬間」という「入り口」に向かって、言葉を扱うものは、この身を裂いて侵入していくのだろう。いま見ている言葉を裂いてその輪郭を崩しながら言語のなかへ侵入していく。2019/04/23