内容説明
武田信玄の父である信虎の時代に、武田家を存亡の危機から救った軍師荻原昌勝の波乱の生涯を描いた『茜雲』。美濃の出身なのに甲斐を愛し、信玄を慕い、明智光秀と固い絆で結ばれた快川国師の『桔梗物語』。戦国時代の甲州で活躍した、知る人ぞ知る武将と僧を描いた戦国叙情伝。
著者等紹介
荻原政夫[オギハラマサオ]
昭和31年12月23日、山梨市三富川浦生まれ。駒澤大学卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roatsu
19
休業に入る三省堂本店にて、山梨県本の棚で出会った一冊。緑の山と田んぼの長閑な景色の中を旗指物をひらめかせて進む武田軍のシルエットが印象的な表紙に惹かれた。叙情伝の題通り、情感豊かで悲しくも美しい小説二篇。信玄公の時代より数十年遡り、武田信昌・信縄・信虎と当主三代に渡って軍師として仕え御家の危機を救った武将・荻原昌勝の生涯を彼の出生にまつわる謎を絡めて描く茜雲と、土岐源氏の象徴・桔梗紋にゆかりを持つ名僧・快川国師、明智光秀、山県昌景らの深い絆と悲しい運命を武田家の斜陽と滅亡と共に描く桔梗物語。いずれも読み2020/04/07
YONDA
14
装丁に強くひかれ購入した一冊。戦に赴く隊列と農夫。この絵に胸をうたれました。物語も武田好きには何とも言えません。信玄の祖父と父に仕えた萩原昌勝。桔梗で結ばれた明智光秀・快川・山縣昌景。コロナが落ち着いたら恵林寺に行こう。2020/12/31