内容説明
1930年代。アメリカ南部、ミシシッピ州。深い彩りをたたえる歌声と、スライドギターの艶やかなサウンドで、自らに巣くう闇をあぶり出した男。そこには、生きる意志として歌=ブルースがあった。わずか29曲を録音し、27歳の若さで謎の死を遂げたブルースマン、ロバート・ジョンソン。驚異的な演奏と表現力豊かな歌唱、深い内省が貫かれた歌詞でブルースを変革させた希有なミュージシャンであり、ロックなどその後の音楽にも多大な影響を与え続けている。全29曲は原詞と意味を洗い直した新訳。生き生きした日本語が、ブルースを浮かび上がらせる。また、生前、死後の詳細な年譜も付した。アメリカ音楽のルーツ、ブルース。その原点のひとり、ロバート・ジョンソンの詞世界を明らかにする。
目次
やさしい女
キレイすっきりお掃除さ
うちの台所へ来いよ
虚しい恋
ハネムーン
河沿いをうろついてるよ
テラプレイン
かわいいスペードの女王
蓄音機
真っ赤で辛いんだ、あれは〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
唯誠
1
ロバート・ジョンソンの残したブルースは、歌であり音楽。それは言葉、声質、楽器などの旋律、リズム、それらが一体となって生み出された音楽的時空間。その中から言葉を抽出し活字化したものの歌詞集をロバート・ジョンソンの曲を全て、全58テイクを聴きながら、魂の叫び、心の叫びをちょっと感じとりながら、音楽的時空間を堪能。2018/06/21
クローカ
1
詩集。伝説のブルースマン、ロバート・ジョンソンが残した歌詞をまとめたもの。現代日本において彼の歌詞がどれだけ理解できるか、というと難しいところですし、さらには翻訳されているので、迂闊にわかった気にはなれないな、というのが正直なところ。しかし、それを踏まえた上でも素晴らしい歌詞だと思います。改めて彼の残した録音を聴いてみよう、という気になりました。2011/07/02