内容説明
ある日、グレースはおかあさんが焼いたケーキを一切れ、おとなりのフィリスさんにもっていきました―。少女と、記憶をなくしかけたおばあさんとの、さりげない、でも、たしかな友情を描いた一冊。
著者等紹介
グレイ,ナイジェル[グレイ,ナイジェル] [Gray,Nigel]
アイルランド生まれ。作家。世界中を旅し、詩、絵本・児童書、大人向けの小説やノンフィクションなど、幅広い分野で活躍。90冊以上の作品を発表し、24ヵ国で出版されている
ウェルビー,ベサン[ウェルビー,ベサン] [Welby,Bethan]
イギリス生まれ。教育関連の出版社で働いた後、大学院で子どもの本のイラストレーションを学ぶ。本作で、2023年度のカーネギー賞イラストレーション部門にノミネートされる
もりうちすみこ[モリウチスミコ]
福岡県生まれ。小学校教諭を経て、翻訳家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
わむう
17
隣の家に住む認知症のおばあさんと、女の子の交流のお話。2024/12/28
ヒラP@ehon.gohon
17
認知症の進行を臨場感をもって描いた絵本です。 読んでいて、考えさせられてしまいました。 認知症のフィリスさんは一人暮らしのようですが、その生活の危うさにはハラハラドキドキさせられてしまいました。 人の名前を思い出せないことは別にしても、時間の感覚が失われ、傷んだ食べ物にも無頓着です。 どうなっていくのだろうと思っている時に、フィリスさんは施設に入所するのことになりました。 生活的には安心できましたが、フィリスさんの症状は加速度的に悪くなり、自分のこともわからなくなってしまいました。 2023/08/09
ヒラP@ehon.gohon
9
【再読】大人のための絵本2023/08/12
Mayuko Kamiwada
5
グレースとフィリスの年を超えた友情の物語。きっかけはグレースのお母さんが作ったケーキをお隣に住むお婆さん・フィリスに届けたこと。そこから二人は交流を深めていく。グレースのフィリスに対する接し方はとにかく優しい。いろいろと感じるところはあったと思うが、それを見せずにただフィリスとの会話や交流を楽しんでいるように思った。記憶が薄れていく中で、確かに二人の友情が築き上げてきたのだとラストの場面で感じた。2024/05/21
You
1
2024県課図低学年■刊行直後にも目を通したが、課題図書で再読。すごく良い1冊です。隣に住む認知症のフィリスと交流を続けるグレース。義務や責任や同情や奉仕でなく、フィリスが好きだから、大の仲良しだから訪ねて行く。歳の壁という概念のない友情が豊かで優しく美しい。饐えた牛乳、贈ったケーキの黴、グレースの父の親切への激怒、認知症に付きものの侘しい風景はそれ以上掘り下げられず、ただその時々のエピソードだけが幻灯のように置かれる流れが心地よかった。大事なのは病人の理解ではなく、友人と交流を育むことなのだと感じた。2024/05/17
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