内容説明
二○XX年、地球に正体不明の病原体が広まり、人類は絶滅の危機におちいっていた。病原体から逃れるべく、いつ終わりを迎えるかわからない旅に出発した人々がいた―。ヒロシは、地球のことを知らない「船生まれ」の子ども。ある日、立入禁止の部屋の窓から見たものは、ヒロシがそれまで考えもしなかった、驚くべき光景だった…。
著者等紹介
森下一仁[モリシタカツヒト]
1951年、高知県生まれ。SF作家、評論家。東京大学文学部心理学科卒。79年、短編「プアプア」で「SFマガジン」よりデビュー
きたむらさとし[キタムラサトシ]
1956年、東京都生まれ。79年に渡英。83年、英国でのデビュー作『ぼくはおこった』(ハーウィン・オラム作 評論社)でマザーグース賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キキハル
18
宇宙船・希望号に乗って、新しい地球へ向かう旅をしている12家族。船で生まれたヒロシは、ある日ブリッジからありえない光景を見て旅の真実を知ってしまう。児童向けジュブナイルSFです。やさしい内容ですぐに読めますが、専門的な話も含まれています。これは小学生の時に読みたかったですね。今読むと、どこかで見聞きした題材が巧くアレンジされているのに気を取られるから。それでも、大人と同じように困難に立ち向かおうと頑張る子どもたちは立派でした。初めて見た空の色を、ヒロシは決して忘れないでしょう。2013/12/17
ゆう
15
ジュブナイルSF。いまの子どもたちに向けた新しいSFが書かれているのが、まずうれしい。ありそうな未来の展開に、ひきこまれて一気に読みました。2013/11/22
fukumasagami
9
まさか使い古された世代宇宙船ものかと思わせて、といい意味で裏切られた。2010/11/21
SEGA
8
その昔、コスモスホテルが好きだったので、新作の存在を知って歓喜。ビーグル号かと思ったら、渚にてだったのか!?猫じゃない生き物のフォローがあると思って読んでいましたが…2016/12/25
南
6
子供向けのSF。読み進めながら、もっと絶望的な展開になるんじゃないか?とドキドキしていましたが…そこはやっぱり子供向け、そこまで悲惨な展開にはならずに終わりでした。エンタメ小説なんかで絶望慣れしている大人(笑)にはちょっと物足りないかも。2016/08/12