内容説明
闘病記という患者の声に耳を傾けられるようになったのは、なぜか。闘病記は現代社会で、また書き手や読み手にとって、どのような意味をもつのか。医療者と患者・家族がお互いの理解を深めて、より良い医療を協働してつくり上げていく際に闘病記が架け橋のように重要な役割を果たすという視点から本書を書き上げた。がんを病む語りの深淵を壮大な社会学的研究から解き明かす。
目次
序章 本書の概要
第1章 闘病記をめぐる社会的背景
第2章 闘病記の系譜
第3章 「アウェアネス理論」からみるがん闘病記
第4章 がん闘病記と5つの語り
第5章 乳がん闘病記をめぐって
第6章 グリーフワークとしての闘病記―家族が書く闘病記
第7章 テキスト化する闘病記と新たな役割
第8章 生きる力に―現代における闘病記の意義
終章 闘病記という物語
著者等紹介
門林道子[カドバヤシミチコ]
1955年、石川県金沢市生まれ。日本女子大学大学院人間社会研究科博士課程後期(現代社会論専攻)単位取得満期退学。博士(学術)。現在、日本女子大学人間社会学部学術研究員。昭和薬科大学、了徳寺大学、川崎市立看護短期大学等非常勤講師。日本死の臨床研究会、城南緩和ケア研究会、日本赤十字社医療センター緩和ケア研究会世話人。世田谷区子ども・青少年問題協議会委員。闘病記に1990年代後半から関心をもち、闘病記を社会学的視座からとらえることを目指してきた。同時に「患者の心に寄り添える医療」に役に立ちたいと薬学や看護学の教育において闘病記を用いた授業を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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