内容説明
国家の思惑に翻弄され続けた「学校貯金」・「子ども銀行」。交錯する“教育の論理”と“金融経済の論理”の中で学校教育がになった役割を明かす!
目次
序章 交錯する教育と金融経済
第1章 学校貯金の構想
第2章 学校貯金の誕生
第3章 「貯金生徒」の増加と切手貯金
第4章 勤倹貯蓄奨励策の展開
第5章 総力戦体制下の学校貯金
第6章 「子ども銀行」の時代
第7章 「子ども銀行」の終焉
終章 「子ども銀行」とは何だったのか
著者等紹介
吉川卓治[ヨシカワタクジ]
1963年愛知県生まれ。1990年名古屋大学大学院教育学研究科博士課程後期課程中退。名古屋大学史専任編集室員(教育学部助手)、神戸商科大学専任講師・助教授、名古屋大学大学院教育発達科学研究科准教授などを経て、名古屋大学大学院教育発達科学研究科教授、博士(教育学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
122
最近メガバンクでも子供たちに対する教育を行う動きが出てきています。私はかなりの年ですがこの本に書かれている「こども銀行」という存在があったということは全く知りませんでした。この本では戦前からの学校貯金という制度から説き起こして、「こども銀行」の成立事情などを詳しく分析されています。むかしの協和銀行船場支店がその本店であったという事情も知りました。このような教育を兼ねた組織自体があったということが驚きでした。2017/03/03
takao
2
ふむ2025/06/29
椎名千歳
2
「こども銀行」という仕組みとそれを中心とした現代史の本。こども銀行自体を全く知らなかったのと、貯金という観点から現代史をたどっていくという視点が面白く、とても興味深かった。個人的に「〒」のマークが古くから使われていたという点と、二宮金次郎が奨励のモチーフとしてよく使われていた点が印象に残った。2017/03/04