内容説明
近代学校のあり方をルーマン社会学を創造的に応用して解明する。学校は単なる教育システムではない。
目次
序説 近代学校はそれ以前の学校と同日には論じられない
第1章 近代学校は四つの主要な層(システム)の重なりである(心理システムと社会システム;教育システムの集積としての近代学校;選別システムとしての近代学校;官僚制組織としての近代学校;子供集団としての近代学校)
第2章 学校と影響関係を持つ社会の他の部分(国家;地域;家族;社会的イシュー;特定の文化の再生産の場としての学校;学校が存在すること自体による社会の他の諸部分との影響関係)
第3章 今ある学校とどうつきあうか
著者等紹介
北村和夫[キタムラカズオ]
1949年、長野県更級郡塩崎村(現長野市)に生まれる。74年、東京大学教育学部卒業。81年、同大学院単位取得満期退学。専攻は教育社会学だったが、現在は、専門は環境教育ということにしている。埼玉大学、都留文科大学、一橋大学、日本大学、駒澤大学、東京都市大学(武蔵工業大学)で、教育学、教育社会学、環境教育の非常勤講師を勤める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぷほは
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近代の学校は①教育システム、②選別システム、③官僚組織システム、④子供たちの相互作用システムという、4つのシステムの重なりだというのが主張。議論を呼ぶのは①と②をそれぞれ別個のシステムであると言い切ってしまう点だが、①~④はあくまで「重なり」であって、階層性を持っているわけではない。このへんが西垣通のOPSの議論などとは異なる。だが、前半の理論的整理には膝を打たされるものの、後半に関してはやや断言めいた言及が多くなってきて、俄かには同意し難い論点も出てくる。特にいじめ、不平等研究への論及には違和感がある。2016/01/23