内容説明
土を練り鏝一つで壁を仕上げる。身体と道具が溶けあった“左官・久住章”の一振りの流れにその姿を果てしなく写し続ける土の面。閃きと業のカオス。―“カリスマ左官”と呼ばれ続ける久住章の鏝が語る。
目次
1 菓子問屋の見習いから左官の道へ
2 新しい技術への挑戦
3 アーヘン工科大学の講師となる
4 土佐漆喰を駆使した徳田邸
5 拡大する仕事
6 左官という仕事
著者等紹介
久住章[クスミアキラ]
昭和23(1948)年、兵庫県淡路島生まれ。一八歳で左官の修業を始め、京都の数寄屋左官卯田惣二氏に弟子入りして聚楽壁を習うなど、さまざまな技術の習得に励む。かたわら左官組合から呼ばれるまま、講師として全国を巡る。三三歳のころ、業界誌『左官教室』の編集者小林澄夫氏と出会い、東京の若手建築家らを紹介される。建築家と組むことで、これまでに培った数々の技術が開花することになった。三六歳のとき、ドイツ、アーヘン工科大学の教授を紹介されたのを機に、アーヘン工科大学の夏期講師となる。1984年兵庫県技能顕功賞、95年には早稲田大学の学生に造らせたゲストハウスで吉岡賞、さらに99年、日本建築学会文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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