内容説明
人間は大自然の暴風だけでなく身の内なる風の前でもなす術もなく小さく無力だ。覚醒へと誘うオナラの話。
目次
序説 薫風響声考(心騒ぐ風;身体の内側を吹く風 ほか)
1 放屁という覚醒(身体という謙虚な知性;アフリカ人は放屁しない? ほか)
2 旅にしあれば(赤ん坊と人類学徒;「そこ」ならぬ「ここ」 ほか)
3 荒野に風立ちて(放屁と自然と邪術者と;放屁という技芸 ほか)
4 夜のランナーたちの風(人類学の隠れた技法;浮上する夜のランナー ほか)
著者等紹介
O・呂陵[オーリョリョウ]
1948年、富山県生まれ。専門は、文化人類学、社会人類学、アフリカ地域研究ならびに日本研究。1979年以来足掛け二九年にわたり、カレンジン語系のキプシギス人を中心に二五度の現地参与観察調査を実施。現在も継続中。『川の記憶』(共著、田主丸町誌第一巻、第五一回毎日出版文化賞・第五六回西日本文化賞受賞)など著作多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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田氏
12
本書から学んだことが3つある。一つは、アフリカの文化においては、放屁が我々の倫理・衛生概念よりも遥かに重い禁忌とされていること。一つは、そういった発見が如何に瞠目に値することであっても、文章の書き方次第では酷く読み手の興味を削いでしまうこと。もう一つは、口に合わないと判じた本は意地で読み切ろうとしない方が時間を有効に使えること。著者がフィールドワークを重ねた上に構築した人類学論には称揚すべきものがあるが、そこから敷衍する文化論並びに放屁論にも些か牽強の感を禁じ得ない。校正の不備か、脱字が多いのも気になる。2017/10/22
メルセ・ひすい
0
9. 19 ★5 比較文化論 最高!抜群! お薦め! 文化と放屁 in africa 寺山修司は「尻から吐き出す言葉が屁で、口から吐き出す屁が言葉」と言う。・・ 放屁は「シュール・レアリストなら誰でも一度はとり組むテーマ」だ! ◎安土桃山時代、十字軍=イエズス会はアメリカ向け、黒人奴隷貿易のみならず、アジアでの日本人奴隷や朝鮮人奴隷の貿易に手を染めていた。A.S.以外は猿と ゛人=A.S.゛の中間位の野蛮人としていた。秀吉や九州各地の武将も同様。NHKドラマの時代物はすべて嘘。 2007/08/23
とこまた
0
タバコをやめ、クロレッツ中毒になった。キシリトールを大量に摂取するようになって約一年、放出ガスの体積だけは着実に増加している。リズムと音階を制御できるまでにはまだまだ修練が必要である。この本によると、私は知らなかったのだが、アフリカ大陸では、おならはタブーだそうな。量もリズムもましてや音階などは問題外の大問題。人前では決して発射してはならぬという。慎みたいのはいずこも一緒ではあるが、慎みのレベルが違う。狭い空間に住まう社会と大草原に生きる社会との違いか。文化人類学って面白い。2007/07/15
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