内容説明
源内・江漢・由一・フェノロサ・天心・黒田・漱石…フジタの戦争画まで、教科書が決して書かない目からウロコの美術史。
目次
序章 西洋と出会う
第1章 油画の創始者、高橋由一
第2章 油画のご先祖、源内と江漢
第3章 “油絵興行”から万博へ
第4章 フェノロサと岡倉天心
第5章 黒田清輝と漱石
第6章 ヒトラーの近代美術抹殺
著者等紹介
菊畑茂久馬[キクハタモクマ]
1935年長崎市生まれ。画家。福岡市在住
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感想・レビュー
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nizimasu
4
菊畑茂久馬さんが江戸の末期から戦後の藤田嗣治までの洋画の歴史を講演した内容をまとめた本。鮭で有名な高橋由一の重要性をとくとくとのべていて日本の呪詛的なおどろおどろしさや土着性に着目していてその稚拙さを西洋絵画の歴史とは違うものとして評価しているのが面白い。確かに花魁という初期の代表作はとてもこの世のものとは思えないある種の畏怖が感じられるしその前史として平賀源内や司馬江漢も取り上げる一方やはり戦争画についていち早く着目していて藤田へのいわれなき戦後の非国民扱いも嘆く。こうした美術の見方がもっと広まるといい2015/09/12
yu-onore
0
わりとスタンダードで、想像よりはあの人ならではの語り方感がなかった。否、椹木さんと親和性は高く、おそらくは20年前には革新的というか。こういった見方が『日本・現代・美術』を機に定着してきたのかも。その戦前版的な要素はなくはない気はする。2021/08/09