内容説明
先生、私たち何のためにフランス文学なんか勉強するんですか?文学と大学の落日をめぐる、ブラック・ユーモアあふれる長篇小説。
著者等紹介
奥本大三郎[オクモトダイサブロウ]
フランス文学者。1944年大阪市生まれ。東京大学文学部仏文科卒業、同大学院修了。埼玉大学名誉教授。現在、大阪芸術大学教授、NPO日本アンリ・ファーブル会理事長。著書に『虫の宇宙誌』(1981、読売文学賞)、『楽しき熱帯』(1995、サントリー学芸賞)、『斑猫の宿』(2001、JTB紀行文学大賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たまご
15
フランス語の素養が全くない(ボンジュール,とかアデュー程度)なので,フランス語のダジャレが堪能できずに残念.でも,上田敏とかの訳を「洋食」に例えるセンス,好きです~. 大学に名前を借りた官僚批判?チックなところもおかしかった.最後はおかしすぎてこうなっちゃったのかしら…. よく「日記」とかについてた,あちらの国のレトロな日本語訳の詩を,久々に読みたくなりました.2015/02/21
スプリント
7
淡々とフランス文学教授の日常が綴られ、昨今の大学事情や生徒事情などが盛り込まれています。2015/08/20
むぎじる
4
「時間というものができるだけ永く感じられるように、忙しがらない」この姿勢を保っているから、奥山準教授はゆったりと生きているように見えるのだろうか。この考え方、ぜひ実践したい。2012/03/05
さたん・さたーん・さーたん
3
フランス文学・語学ともに馴染みがなくても楽しく面白く読める奥山准教授の教室の一コマ。少々熱意に欠けた学生たちの席を譲ってほしいほど、入学したいトマト大学。最終章ではセンター試験制度に物申しているが、この制度のために多少なりとも身を削り心を砕いてきた立場として、先生の批判を受け止めわが身を振り返るとき、こんな自分でも「奥山ゼミ」にもし在籍できたら、先生の下で学問と人格の大成に励むことができただろうか_。2019/12/31
たゐせゐ
3
レトリック的な部分もあったと思うけど、とにかく言葉のチョイスがお洒落で、内容も駄洒落で構成されてて、さすが!と思う次第。最後の一文には考えさせられたヨ。学生を前にした人間味のある教授、読んでいて、授業を受けているみたいで楽しかった。2016/06/23