内容説明
論評の名手は、それを、どうとらえたか―世界を、本を、眺めながら考えたこと。
目次
社会の風景(一九六八年について私が知っている二、三の事柄―小熊英二『1968』;とらえどころのない現実に爪をたてる―香山リカ『“私”の愛国心』/玄田有史・曲沼美恵『ニート』/ホッファー『安息日の前に』 ほか)
戦争と政治をめぐって(国際政治の現場で思想家はいかに考えたか―イグナティエフ『軽い帝国』/ウォルツァー『寛容について』/半澤孝麿『ヨーロッパ思想史における“政治”の位相』;戦争という必要悪―ウォルツァー『戦争を論ずる』 ほか)
本のソムリエ(初心者向けの哲学書は;仕事と育児で疲れた時に ほか)
文化の断面(新年のおとずれ;「きびしさ」と「さびしさ」―相良亨『日本人の心』 ほか)
著者等紹介
苅部直[カルベタダシ]
1965年東京生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。現在、東京大学法学部教授。専門は日本政治思想史。著書に『丸山眞男―リベラリストの肖像』(岩波新書/2006年サントリー学芸賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Haruka Fukuhara
2
新聞コラムや雑誌の記事をまとめた本で読みやすかった。読書家なのは知ってたけれど、本当に色々な本を読んでるんだな、と改めて。時評的なものは基本的に賞味期限が短いものだけど、その中では頑張ってる方なのかな。本当はもっとがっつりと何かを論じたものを期待したいところ。現役の学者だと色々と制約があるものなんだろうか。2017/02/15
メルセ・ひすい
2
14-31赤34書評集…(「外交フォーラム」`05.06) 和辻哲郎…によれば、「憲法17条」とは、「理念としての官人共同体」の規範を述べ伝えることを通じて、聖徳太子における「仏法」のありようを示すテクストに他ならない。それは、統治に携わりながら、日常の世界を超えた「絶対知」をともに体得しようとする仏法者としての、官人たちの共同体を作りあげようとする文書だったのである。時代状況から見れば、推古天皇という「女天皇」を戴きながら、朝廷の儀式を新たな形で荘厳し、始源から再出発させようとする努力の要でもあった。拝2010/12/16
denken
0
よくわからんから反感はないけれど,何かに活かせる手応えもない。美しい。2012/10/05