内容説明
藤枝に帰郷して四十六年、純文学の孤塁を堅守する現代文芸界の巨匠が、闊達自在な境地を綴る八年ぶりの最新随筆集。
目次
枝っ子は思う(耳を澄ます;死者たちの言葉;超現実主義の根 ほか)
仰望(ヒューマン・バイブル;志賀直哉の教え;芥川龍之介・切支丹もの十一篇 ほか)
身をサドルにゆだね(フランス語と私;牛遁の術;テトラポッドの想い出 ほか)
著者等紹介
小川国夫[オガワクニオ]
1927(昭和2)年、静岡県生まれ。小説家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kana0202
2
素朴で落ち着いた文章で語られるのは、家族や知人の作家たちとの思い出。さらには昔の旅。細かく面白いところもあるし、全体的に見ても(それぞれ初出媒体は違うが)、どことなくまとまっているように感じられる。老境の作家が、まだまだ、みたいききたいかきたい、と言っているのは、なんか元気出る。2023/05/20
メルセ・ひすい
1
8-28 赤103 裏に大嘘烏が頭にとまっている!・・言葉はざっくりと切り落とされているのに、世界の表情は艶やかで陰影があり、単純化された物語はときに神話的な響きを持つ。いったいどうしたらそのような表現と物語を生みだすことができるのか。・・文学の基本姿勢「耳を澄ます」、文章論に大きな影響を受けた「志賀直哉の教え」、芥川龍之介と梶井基次郎の決定的な違い・・自作を解説する「書きたい、見たい、聞きたい」「川端康成文学賞の選評から」など・・小川文学の核心が述べられている。・・若き日の欧州旅行の回顧が生き生きと2007/03/07