内容説明
本書はグローバリゼーションと法多元主義、コスモポリタン法学、グローバル比較法学、法伝統論といった課題についてフィンランド、カナダ、イタリア比較法学を中心とする成果を摂取し、比較法方法論からも示唆を得ようと試みる。さらに、ベルギー、オランダ、ドイツにおけるヨーロッパ民事訴訟法研究に学んだ比較法史を展開し、ハーモナイゼーションの可能性を探る。いわば、比較法史を中心とする学際的比較法の試行錯誤的な実践、学際的比較法の勧めとなっている。
目次
序論―法とグローバリゼーション入門―
第1部 比較法の思想―コスモポリタン法学序説―(『コスモポリタン法学』序論「どこに『真の活動』があるのか(Where the‘Real Action’Is)―比較法からコスモポリタン法学へ―」(ヘルゲ・デデク)
『コスモポリタン法学』第1部「比較法の伝統―コンテクスト、歴史、見込み(Promise)―」
『コスモポリタン法学』第2部「伝統の概念―その可能性と課題―」
『コスモポリタン法学』第3部「境界を横断する―文化移転、法的コスモポリタニズム、国家の解消」
結語)
第2部 比較法の方法―「黒いガイウス」論からの出発―(モナテリの「黒いガイウス」精読;「黒いガイウス」の挑戦(その1)―比較法方法論への貢献―
「黒いガイウス」の挑戦(その2)―モナテリの『比較法の諸方法への序論』
結語)
第3部 比較法史の実践―歴史叙述としての民事訴訟―(ヴァン・カネヘムの『ヨーロッパ民事訴訟の歴史』;歴史小品―ヴァン・カネヘム『ヨーロッパ民事訴訟の歴史』の基礎にあるもの―;ヴァン・レーの比較民事訴訟法史―ヴァン・カネヘムに続くもの;クヌート・ヴォルフガング・ネルの『ヨーロッパ大陸民事訴訟概史;手続的ユス・コムーネの再生)
結論―比較法学再考―
著者等紹介
貝瀬幸雄[カイセユキオ]
1958年山梨県に生まれる。2024年東北大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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