目次
第1章 銀行はなぜ救われるのか(銀行危機と問題の所在;預金の取り付け騒ぎはなぜ発生するか ほか)
第2章 株主からのガバナンス(組織によるガバナンス;契約理論とエージェンシー問題 ほか)
第3章 プルーデンス政策とリスクシフト(預金保険の問題点;自己資本比率規制と問題点 ほか)
第4章 金銭的および非金銭的インセンティブを踏まえた政策(株主への忠誠によるリスクシフト;金銭的インセンティブに対応した政策に係る研究 ほか)
著者等紹介
野崎浩成[ノザキヒロナリ]
シティグループ証券株式会社マネジングディレクター。1986年慶応義塾大学経済学部卒業。1991年エール大学院修了。1986年埼玉銀行、2000年ABNアムロ、2001年HSBC証券を経て2004年から現職。米国CFA協会認定証券アナリスト、日本証券アナリスト協会検定会員。日経アナリストランキング総合1位(2010年、全産業全アナリスト中)および銀行部門1位(2010年まで6年連続)、インスティテューショナルインベスター誌1位(銀行部門7年連続)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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narimass
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この本は、題名から連想されるような、過去の銀行の罪と罰を振り返ったものではなく、銀行経営における適切な規制や行政ルール、インセンティブ等、銀行経営における罪と罰のあり方について論じた本であり、筆者の博士論文に加筆修正の上でまとめられたものである。このため読みこなすには銀行の規制等、一定レベルの専門知識を必要とする。なお銀行経営者のインセンティブのあり方として劣後債的要素を加えたペイオフ設計が提案されているが、設計例の提示に留まっているのは残念である。いずれ定量的な経済モデルによる検証が必要であろう。2012/01/21
doremi
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罪と罰というセンセーショナルなタイトルですが、暴露本ではなくて、銀行を様々な角度から解説しています。普通は、漫然とした認識で銀行を利用していますが、その意義やアクセルとブレーキに関する様々な制度について考察しています。しかしながら、論文ベースを一般書にしたとのことですが、分かりにくいです。また、ここまでしないとモラルを維持できない人たち(銀行員)に、なんで高給が必要なのでしょう。2011/03/29