内容説明
本書は、昭和20年9月、著者の広島での講演速記を基礎にまとめられたものである。
目次
戦争はどのようにして起こったのか
どのようにして戦いに敗れたのか
「科学無き者の最後」
日本における陸軍国と海軍国
ポツダム宣言の政治性を読む
米英中ソ、四カ国の行方を見る
日本の将来はどうなるか
『敗戦真相記』を読むための人物・用語解説(編集部)
解説『敗戦真相記』を読む(田勢康弘)
著者等紹介
永野護[ナガノマモル]
実業家、政治家。1890年生まれ、広島県出身。東京帝国大学法科大学を卒業、渋沢栄一の秘書となる。東洋製油取締役、山叶証券専務、丸宏証券会長、東京米穀取引所常務理事などを歴任。戦中、戦後と衆議院議員2期。1956年に広島地方区から参議院議員に当選。58年、第2次岸信介内閣の運輸大臣。実弟に永野重雄(元・日本商工会議所会頭、元・新日本製鉄会長)、永野俊雄(元・五洋建設会長)、伍堂輝雄(元・日本航空会長)、永野鎮雄(元・参議院議員)、永野治(元・石川島播磨重工業副社長)がおり、そろって政財界で活躍、「永野兄弟」として知られた。70年に死去
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感想・レビュー
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Machida Hiroshi
7
本書は、終戦直後の昭和20年9月に、後に運輸大臣などになる著者が、広島で講演した内容をまとめた講演録です。終戦から間もないのに、多角的観点から敗戦の真相を分析しているだけでなく、これからの日本の復興手法まで考察しているので、戦時中からすでに考えていたのでしょう。著者が敗戦の原因として挙げた、相手国のことを知ろうとしない、部門間が縦割りで情報共有や資源最適分配のマネージメント能力がない、地位が上に行くほど勉強せず無知になるが責任回避能力だけ発達する、などを読むと、今の政府や官僚の姿と重なることにあきれます。2017/02/02
たらお
6
再読。「たしかにこの本にはそれだけの価値がある。本文部分わずか百二十ページ余のこの本の中に、日本がなぜあの戦争に負けたかが見事に分析されている」(立花隆『私の読書日記』より)帯に書かれてあるこの言葉を見て購入。薄い冊子だが最初から明快に敗戦の結論が書かれている。これが、敗戦後まもない昭和20年の9月に講演したものを書籍化したものというから驚き。陸軍と海軍の不合理な対立(軍需資材を融通しあわないから結局ものすごく無駄遣い)も書かれており、そういうどうしようもないものに流されてしまった時代だったのだなと。2015/01/19
Hiroki Nishizumi
3
著者のように目先の利害に振り回されることなく、本質を掴む姿勢を学びたい。2019/03/11
Ucchy
2
日本は何故敗れたか戦後どう進むべきかを終戦1月後の時点で平易に語る。他国と協調するのではなく他国を征服して資源を得るという国策の基本的方針が誤りであったこと。その上で科学力が劣っていたこと、物質面以上にマネジメントが非科学的だったこと。敗戦の原因は日本自身にあるのであってこれを他に転嫁してはならないこと。平和国家として一からやり直すべきこと、ポツダム宣言は寛大でありこれを受け入れるべきであること。官僚機構の縦割り、非能率、非科学性は今の日本にも当てはまり宿痾だと思った。2018/03/31
夢仙人
2
これだけのことを言える政治家がかつてはいた。今の安倍さんを始め与野党の政治家のレベルの低さには恐れ入る。2018/02/04