内容説明
増え続ける薬物事件に対処するためにアメリカ刑事司法がとったドラッグ・コートという選択。治療的理念は刑事司法をどう変化させてきたのか。処罰から問題解決へ、刑事司法理念の再構築。1000を越え、さらに拡大するドラッグ・コートの現在。
目次
第1章 薬物と法律:その歴史的展望
第2章 ドラッグ・コート運動
第3章 治療の劇場
第4章 非コモン・ロー
第5章 ドラッグ・コートの物語
第6章 病理モデルへの移行
第7章 司法のもつ意義
第8章 司法の再構成
著者等紹介
小沼杏坪[コヌマキョウヘイ]
医療法人せのがわKONUMA記念広島薬物依存研究所所長。日本精神科救急学会理事、日本アルコール・薬物学会評議員
小森榮[コモリサカエ]
弁護士。小森法律事務所、東京弁護士会所属
妹尾栄一[セノオエイイチ]
医学博士。東京都精神医学総合研究所嗜癖行動研究チーム副参与研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ドラッグ・コートは、宗教的・道徳的観点、功利主義的観点を排した治療的パラダイムで行われる。対して、近代西洋法学の立場は、 1)応報 retribution 2)抑止 deterrence 3)無害化 incapacitation 4)社会復帰 rehabilitation である。カント、ヘーゲルは共に応報論から「刑罰」を考える。 とりわけカントは功利主義を批判する。(『人倫の形而上学』) 功利主義批判の流れは、ドストエフスキー、フーコー、ロスマン、イグナティフ、スパレインバーグなどに引き継がれる。 功利2010/03/16
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