内容説明
様々な場面で強力な手法を発揮する関数解析について、応用の重要性がどこにあるのかを熟知した工学の最前線の研究者が、工科系学生向きに基礎とその発展を解説。準備となる基本的な事項の解説から、情報工学分野での応用が急速に拡大している非線形解析の入り口までカバー。議論の動機や種々の事項の意味・恩恵も解説し、読み進めるうちに関数解析のセンスが養われ、理解が深まるよう配慮。章末に豊富な演習問題も付した。
目次
第1章 実数列の極限とベクトル空間
第2章 距離空間
第3章 ノルム空間と内積空間
第4章 バナッハ空間とヒルベルト空間
第5章 射影定理とノルム空間上の微分
第6章 線形汎関数の表現と共役空間
第7章 凸最適化の理論とアルゴリズム
著者等紹介
山田功[ヤマダイサオ]
1985年筑波大学第三学群情報工学卒業。1990年東京工業大学大学院理工学研究科博士課程電気・電子工学専攻修了。現在、東京工業大学大学院理工学研究科集積システム専攻准教授。工学博士。専門は信号処理工学、最適化工学、情報通信工学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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オザマチ
6
工学向けでもなかなか難しい。最後の凸最適化の理解を目指してもう一回読もう。2014/11/05
IS
2
行間が広い箇所もあったが、概して言えば読みやすくて工学部生向きだった。とはいえ、大変だった...。 また、前半で導入されたものが後半の布石になっていることが多くて、綺麗な展開だったように思う。2020/05/05
1
「工学のための」と言うのは、主に数理工学における最適化(特に凸最適)の模様。それ以外に使うか?は知らない。説明が懇切丁寧で、行間はそこまでない。結構数学書なので、一貫した流れはあるが、そもそも使わない人には若干モチベが辛いかもしれない(シャウダー基底や射影定理とその応用とかは面白いかも?)。スペクトル関連は書かれていない。個人的には関数解析という名前に混乱する。ヒルベルト空間論とか無限次元空間のノルム論とかの方が近いような。数学の学部講義の一角を占めるもので、読み終わると次の世界が広がるのはとてもいい。2022/05/05
Kenji Hiranabe
1
やっとこれが読める!データサイエンスから逆走。DMD(Dynamic Mode Decomposition)を理解するぞー。2020/08/02
かとう あき
1
関数解析の入門書、後半は各分野への応用方法が書かれている。そのため、全部しっかりと読むことが私はできなかった。前半に関しては丁寧で、前の章で出てきたものをきちんとつかうので、まとまりがあってよかったと思う。2014/02/14