内容説明
本書は6世紀のベネディクトゥスの戒律に従い、神を求める修道生活から生み出されて12世紀に頂点に達する修道院文化の固有の性格を解明する。都市の大聖堂付属学校や大学で発達するスコラ学に対し、修道院とその学校の中で形成された学問の内容や方法は違うことを示し、中世においてスコラ学と並ぶもう一つの学問伝統としての修道院神学の存在と意義を明らかにする。
目次
文法学と終末論
第1部 修道院文化の形成(ベネディクトゥスの回心;大グレゴリウス 希求の博士;礼拝と文化)
第2部 修道院文化の源泉(天の崇敬;聖なる書物;古代への熱情;自由学芸の研究)
第3部 修道院文化の成果(文学ジャンル;修道院神学;典礼の詩;文学と神秘的な生活)
著者等紹介
神崎忠昭[カンザキタダアキ]
1957年、横浜生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科史学専攻博士課程単位取得満期退学。専門、ヨーロッパ中世史。現在、慶応義塾大学文学部助教授
矢内義顕[ヤウチヨシアキ]
1957年、東京都生まれ。早稲田大学大学院博士課程後期修了。神田外語大学助教授を経て現在、早稲田大学教授
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