出版社内容情報
モダンの極み、
モダンを超える
シカゴのニューバウハウスに学び、モダンアートの精神で作品=写真を律しながら、「デザイン的過ぎる」としてそのモダンを超えようとした石元泰博(1921-2012)。『ある日ある所』『桂』『伝真言院両界曼荼羅』など40 冊余の写真集をもち、日本と米国を生きる寡黙な写真家の内なる声を聴こうとする初の評伝。“傍若無人”なドキュメント、ここに完成!
ブックデザイン・杉浦康平+佐藤篤司。第45 回造本装幀コンクール東京都知事賞受賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
どんぐり
72
東京オペラシティアートギャラリーで石本泰博の写真展を見た後に、この評伝を読んだ。ノーフィクション系の読み物というよりも、写真論を軸にした学術書である。1921年米国生まれの帰米2世の石元は、3歳から18歳までは日本で教育を受け、19歳の時に渡米し、シカゴのニューバウハウスで写真を学んでいる。彼の撮った「国東紀行」「桂離宮」「伊勢神宮」の日本の風景よりも、どちらかというと「シカゴ」の都市風景を撮った作品のほうが個人的には好きだ。写真を支配する光と闇のコントラストにじーっと見入ってしまう。シカゴで石元は、千代2020/12/08
tom
13
写真のお勉強。石本泰弘博さんという人は、かなり偉い写真家だそうだ。たしかに、収録された写真には、見てみたいと思うものが多数。書中で、彼は「写真は時間と空間の選択の作業の連続。自分がなければ選択はできないから、必ず写真家の顔が映る」と語る。これは、確かにそうだなあと思う。でも、絵や小説と異なり、写真の場合は、ことさらに作者の「顔」を思い浮かべるのは難しいような気がする。石元さんが自分の写真の中に、どういう自分の顔を見ていたのか、そこのところを語ってほしかった。2021/01/17
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