目次
第1章 江戸無血開城から西南戦争まで
第2章 島津斉彬に取り立てられた西郷
第3章 一橋慶喜の擁立を目指した斉彬と西郷
第4章 西郷は二度の島流しに遭う
第5章 再び登用された西郷の活躍
第6章 勝海舟に騙された西郷
著者等紹介
鈴木荘一[スズキソウイチ]
近代史研究家。昭和23年生まれ。昭和46年東京大学経済学部卒業後、日本興業銀行にて審査、産業調査、融資、資金業務などに携わる。とくに企業審査、経済・産業調査に詳しく、その的確な分析力には定評がある。平成13年日本興業銀行を退社し、以後歴史研究に専念、「幕末史を見直す会」代表として、現代政治経済と歴史の融合的な研究や執筆活動などを行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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hk
15
『明治、明治と上から云うが、下から読めばおさまらめい(治まら明)』とは本書で引かれている風刺小話だが言いえて妙である。さて著者の視点は「戊辰戦争で会津藩を滅ぼしたのが大東亜戦争の原因」「日本の明治維新は4番目の市民革命」…云々…いささか奇を衒い過ぎである。そして教科書レベルの高度な歴史造詣が前提知識となっているため、一般読者はまず置いてけぼりをくらう。あにはからんや佳境にて「本書は三部作の一翼を担う…」という司馬遼太郎を彷彿させるレトリックで読者を煙に巻く。こりゃあ前から読んだら、おさまらめい(苦笑)2018/03/14
GOTI
2
☆☆☆★戦後の学校教育に於いてはいわゆる「薩長史観」やGHQによる「東京裁判史観」を教え込まれた。その後「司馬史観」を面白く読んだ。それに真っ向対立する「鈴木史観」は斬新奇抜の感は否めない。前半では明治維新の最大功績者は前期の徳川慶喜と後期の後藤象二郎だとする。そして西郷を戊辰戦争や西南戦争で無駄な血を流したテロリストと断ずる。ところが後半では清貧の人とし、大久保や勝に欺され失脚、憤死したとしている。そして長州汚職閥や無能な公家たちが主導権を握り無謀な太平洋戦争へ導いた。さて、どちらが真実なのか?2020/03/16
鬼山とんぼ
1
著者は前著で「西郷隆盛はテロリスト」と評してきわもの扱いされることもあるが、この本はどうしてそんなことになったのかという経緯を解説している。西郷が二枚舌で全く信用のおけない勝海舟の口車に乗せられ、薩長連合が出来たことや、江戸城無血開城は和宮の嘆願ですでに話が付いていたなど、歴史ファンならぜひ知っておくべきことが多々あり、参考になった。著述の順序や著者の思い出話(それなりに興味深い)が混入しているため、厳しい評価を下す向きもあろうが、事跡や人物がよく整理されており文体も読みやすく、初心者にも推奨できる。2019/07/25
H
0
長州を早く潰していたら日本は日本のままだったかもしれない。何と取り返しのつかないことをしてしまったのか。2018/02/06