内容説明
消えた連合艦隊司令長官の行方。12月8日開戦をスッパ抜き「世紀のスクープ男」として名を馳せた著者が自ら遭遇した戦史の大きな謎に迫る―。
目次
第1章 決死の開戦スクープ(「朝日」対「毎日」;北支従軍と徳川航空兵団;武漢作戦と遡上艦隊 ほか)
第2章 古賀長官「死」のカゲの秘密(「無敵海軍」の崩壊;東洋の真珠;運命のマニラへ ほか)
エピローグ(マニラ燃ゆ;渡名喜大佐の気働き;混迷するマニラ ほか)
著者等紹介
後藤基治[ゴトウモトハル]
大阪市生まれ。1930年早稲田大学卒業後、毎日新聞社に入社、海軍省を担当し日米開戦をスクープ。その後、社会部長、政治部長などを経て、MBS(毎日放送)開局に尽力し、ながく同社副社長をつとめた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うろん
10
戦争を知らない私たちがこういう本を読むことで、あの戦争で何が起きていたのか、あの戦争は何だったのか、その意味を知ることはとても大事だと思う。2017/11/19
CTC
10
7月の新刊、版元は毎日ワンズ(同社は86年、元毎日記者が創業。毎日との資本関係はなし)。著者は元毎日政治部長。東条内閣誕生をスクープ、米内光政の示唆で対米開戦時期も正確に察知していたそうだから(書けるわけがないが)、記者としても優秀だったのだろう。 乙事件は吉村昭の著作などで広く知られている。連合艦隊の参謀長が敵ゲリラに捕虜とされ、機密書類を奪われたわけだが…本書は同時に遭難し“殉職”したとされる古賀峯一連合艦隊司令長官が、実は生存して、同様に捕虜にされていた可能性を示唆するのだから想像を超えている。。2017/09/12
ミノカサゴ134
1
第二次世界大戦で連合艦隊司令長官だった古賀峰一大将が、パラオ諸島からサイパン島に移動する際に悪天候のため遭難し「殉職」した。最前線にいた軍人が「戦死」ではなく「殉職」とされ、その後「本人生存」の噂が流れるなど戦後になっても不可解な話として時々話題になった。著者は、当時毎日新聞の従軍記者として活躍していたが、戦後この古賀長官の「海軍乙事件」が解けない「謎」として残り、それを解明すべくまとめたのが本作。結局、明確な結果は示されず、やや肩透かしの感が残るが、結果を知った上での「武士の情け」だったのかもしれない。2022/03/03
Ayano
1
なんかモヤっとする終わり方の本。 史実に基づいた事実と体験からの内容だけど、古賀長官は結局のところ…?本の中では、福留参謀がZ作戦の命令書、暗号書等が敵前に渡ったことを隠蔽するため、敵に階級の上位性を示すために古賀長官の名前を語ったと読み取れるけどはっきりと言い切られてはいない。 ただ、甲事件については乗機の前後の訓示やエピソードも含めていろいろな本で書かれているけど、乙事件について詳細が記された本はほぼなかったと思うので興味深く読めた。著者が軍属ではない所属だったということも含めて。2019/11/03
都人
1
50年近く前に、伊藤正徳著「連合海軍の最後」等の海軍ものを読み漁ったことがある。しかし戦後70年余、この本に書かれていることを共感するには、知識が無さすぎる。2017/12/11