内容説明
現・電力十社を築いた巨人、96年の熱情。
目次
第1部 回顧九十年(九十歳の春;玄界の波に洗われて;コレラで危うく一命を拾う;二代目松永安左エ門の死 ほか)
第2部 老いの余話(天のソロバンは大きいぞ;人生も山のぼり;金も美女も、の青年時代;生きている古典『学問のすゝめ』 ほか)
著者等紹介
松永安左エ門[マツナガヤスザエモン]
明治8年、長崎県壱岐に生まれる。明治22年、慶應義塾に入学。明治31年、日本銀行を一年足らずで退社後、電気事業に参入し、大正11年、東邦電力を組織、東電と熾烈な競争を繰り広げ、「電力の帝王」と呼ばれる。昭和24年、電力復興の責任者に抜擢され、昭和26年に電力9社体制を発足させた。なお、これに沖縄電力を加えた電力10社体制が今日まで続いている。その後、電力中央研究所を設立し、以後、電力界の発展に尽くした。昭和46年、死去、享年96(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おやまだ
8
福岡では西日本鉄道の前身を作った人として知られているので、こんな全国スケールの人物だとは、恥ずかしながら知らなかった。若き頃の野心を成就させようとの執念はベンチャー魂そのものだが、国益、国民のために働いたのも一側面にあろう。老翁にして「未来を見るのが若者なら、私は若者だ」と言ってのけるエネルギーに脱帽。舌禍も含めてこの人物の生き様なんだろうなあ。2022/02/19
Rico
2
いよいよ3作目で自伝。これはこれで面白かった。なんと本来は6巻の自伝のおいしいどころ取りになっていて、この方、筆も走っている感じで味わいのある文章。後書きで田原総一朗が書いている松永氏が「(時代の)ブレを調節し、内なるバランスをとるために、。。たくさんの文章を書いたのではないか、と思えるほどだ」というのが納得できる感じ。前半の電力闘争の話も面白かったし、後半のつれづれの話も面白かった。本当に魅力的な人。2020/09/12
がる
2
戦後、電力10社の体制を作り上げた松永安左エ門の人生を書いた本。以前、NHKだかのテレビで特集していて、電力事業で利権が絡み皆が反対する中、国の電力事業の未来を描き実現させた、実行力のある人物だなと思っていた。なかなか時代背景と人物相関が飲み込めず、自分にとっては読みにくくあったが、大事を成し遂げる松永さんのような人は、やっぱり生き方や考え方が良くも悪くも変わってんだなと感じた。日本の電力事業の歴史について勉強した後、いつかもう一度じっくり読み直したい。2016/04/10
goi
1
表紙の顔写真の目力が示すとおりの強いエネルギーを文章からも感じる。強気の交渉やフットワークの軽さ、ビジョンの強さを兼ね備えたリーダーであり、頑固なお爺さんでもある。『人間、どこまでも人間』というように人間臭さを受け入れているところも面白い。2018/09/22
もち太
1
店長のすすめ。 第二部、老いの余話からがおもしろい。2016/12/06