目次
第1章 三島由紀夫と二・二六事件
第2章 戦後天皇制に挑戦した三島由紀夫
第3章 対談・復活する三島由紀夫
第4章 「死」を生きる三島由紀夫
第5章 自決の背景
第6章 三島由紀夫の遺言状
著者等紹介
小室直樹[コムロナオキ]
昭和7年、東京都生まれ。京都大学理学部数学科卒業。東京大学大学院法学政治研究科修了。マサチューセッツ工科大学、ミシガン大学、ハーバード大学に留学。法学博士
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感想・レビュー
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yamamiki
8
『豊穣の海』を読み、改めて本書を読む。小室博士がいかに三島に傾倒していたかが文章の一語一語から滲み出る、まさに恋焦がれし三島由紀夫様なのである。それは三島が現代に生きた真の武士であったということに対してのものであり、仏教の空の理論を最も理解することが出来た、その鋭敏な頭脳に対してであり、また作家としての不世出の才能に対してである。でも、おそらく最も小室氏を共鳴させたのは、日本人としてどう生きるか、この日本という国をどうしていくべきか、について、まさに三島の言説がドンピシャと小室氏の琴線に触れてきたから→続2017/12/12
aki
3
書きなぐった感があるなあ。もうちょっと、腰を落ち着けて取り組めば、文学社会学の記念碑的作品になったかもしれない。主たる対象は三島の遺作となった『豊饒の海』4部作(ちなみに『豊饒の海』に対する自分の感想は『春の雪』三島の最高傑作じゃないの。『奔馬』それなりの力作だよね。『暁の寺』なんじゃこれは。『天人五衰』メモじゃん、小説になってないぜ)。さすが小室というべきか、『豊饒の海』の主題のひとつでもある唯識思想と正面から対峙し、きわめてわかりやすく教えてくれる第二章は圧巻。自決の背景を探った第五章もおもしろい。2016/12/25
ひろし
2
前半部で三島哲学の註解、仏教哲学とギリシア哲学の対決から法相宗や唯識とは何かetc。後半部では三島がなぜあのような最期を遂げるに至ったかを説明する。小室直樹と真秀呂場道場館長の山本舜勝との対談から小室直樹の三島精神への興味、関心が伝わってきた。自決前、当時の佐藤内閣へ向けて書かれた「政府への建白書」は沖縄問題にも言及されていたので音読した。締めくくり方が良かった。2012/03/08
ビリケン
1
三島由紀夫の仏教感の深さには感服する。仏教は霊魂を認めない。この一言で私の仏教感が音を立てて崩れてゆきかつ漠然とはしているがなにかこうすっと気持ちが楽になる感じがした。個人の存在は実体的存在ではなく事象の連続に他ならない。そして、時間とは輪廻の生存そのものである。この考えに基づけば過去の事象が作ってきた私という人間像に捉われることなく真の意味での自由に近づけるのではないかと考えてみた。2020/06/23
startvalue
1
★★★★★2020/04/26
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- 電子書籍
- 森咲智美 ドエロい。