内容説明
死んだら、渚からのぞむ西の海の彼方、妣の国へ…。谷川民俗学の源流であり大きな柱でもある「常世論」は、日本人の心の奥にある、古代より無意識に伝わってきた死後の世界への憧れ=常世を論じ、日本人がどこから来たのかを暗示する。たび重なる災禍に見舞われた私たちの、魂のゆくえを探る書。
目次
魂の還る処―常世考(妣の国への係恋;常世―日本人の認識の祖型;海彼の原郷―補陀落渡海;常世はどこにあるのか;明るい冥府)
東方浄土と常闇の夜―柳田國男と折口信夫の“常世”(柳田の東方浄土観;他界からの来訪神マレビト;「まれびと論」の破綻)
著者等紹介
谷川健一[タニガワケンイチ]
1921年、熊本県水俣市生まれ。東京大学文学部卒業後、平凡社に入社、「太陽」初代編集長をつとめる。民俗学者、歌人、日本地名研究所所長。文化功労者。『南島文学発生論』で芸術選奨文部大臣賞、第二回南方熊楠賞。『海霊・水の女』で短歌研究賞。『日本庶民生活史料集成』『日本民俗文化大系』で毎日出版文化賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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