内容説明
この100年の間に書かれ、その名は高くとも、だれも読まない小説12篇。その多様な可能性に驚嘆。
目次
中島敦 「山月記」とその時代
坂口安吾 「桜の森の満開の下」の元大日本帝国少国民的読み方
折口信夫 「死者の書」―中将姫がさすらう説話的時空
葉山嘉樹 「淫売婦」「セメント樽の中の手紙」とわが国の社会福祉
黒島傳治 「渦巻ける烏の群」―無名の師に犬死する兵士たち
石上玄一郎―「クラーク氏の機械」―脳生理学者が夢でアニマルライツに直面する話
結城信一 「空の細道」―孤独な老人の幻覚妄想状態
高橋たか子 「ロンリー・ウーマン」―あるいは分裂病質性人格障害について
葛西善蔵 「哀しき父」の詩と真実
石川淳 「山桜」―悪夢障害と譫妄について
河野多惠子 「幼児狩り」―性嗜好異常について
著者等紹介
島本達夫[シマモトタツオ]
1938年東京生まれ。東京大学中退。東京医科歯科大学・同大学院卒。1992年より2009年まで山歩きをテーマにした季刊誌「山の本」(白山書房)の編集にあたった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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